九者九妖 2 (ページ34)

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あの後、団員さん達がホテルに戻る頃に私も家まで送ってもらうことになった。人選は蓮くん。

皆でジャンケンをして、勝ち残ったんだそうだ。

…早めに休めと言われていたのに相変わらず大騒ぎしながらのジャンケンで、大丈夫なの…？と少し思ったけど皆楽しそうだったので敢えて黙っていた。

相変わらず仲がいいみたいで羨ましい、とも少し思う。

目「Aちゃん、お待たせ。帰ろう。」

蓮くんと一緒にホールの楽屋を出て、以前送って貰った時と同じようにバス停でバスが来るのを待つ。なんだかんだ蓮くんには送って貰ってばかりだなぁ。

辺りは日が落ちてすっかり暗くなっていた。

目「なんか、Aちゃん毎日のように襲われて苦労が絶えないね…疲れちゃうでしょ。」

『あはは…確かに、最初の頃はすごい怖くて…気分が悪くなっちゃうこともあったけど。

でも、最後は必ず皆が助けてくれるから。最初の頃より、だいぶ怖くなくなってきたよ。

でも、明日…ほんとに総攻撃なんてあるのかな…？』

目「んー。必ずとは言えないかもしれないけど、可能性は高いんだろうね。

でも、もし明日来なかったとしても…いつ敵が来たとしても俺らが絶対守る。」

蓮くんの覇気になんとなく気圧されて恥ずかしくなって

苦笑して誤魔化しながら、到着したバスに乗り込んだ。

前と同じように2人がけの椅子に並んで座る。相変わらず距離が近いけど、以前より緊張が少し薄れたと思う。

『なんか、蓮くんが言うとなんか大袈裟に聞こえちゃうんだけどね…

それに、サーカスの公演期間も予定では確か明日まで…？で、本当に終わっちゃうでしょ？』

目「あー、ね。それさ…前も言ったけど、俺は本気でここに残りたいと思ってるよ。

Aちゃんのこと知れば知るほど良い子だなって思うし、今回のことが解決してもまた何かあるならこれからも俺らが守っていきたいなって思うしそれに、

Aちゃんのこと、シンプルにもっと知りたい。」

そう言うと、蓮くんは微笑みながら私の頭に手をポンと置いた。
あまりに真っ直ぐ向けられるその目に正面から向き合うのは恥ずかしくて。

『それは……私の力が珍しいだけじゃないかな…。

皆にも予定があるだろうし、そんな急に日程変えたり出来ないでしょ…

でも…またいつか皆で遊べる日が来たら、いいとは思うよ。』