私なんていらないよね（HQ)

35話　及川side ページ39

『はぁ････』

すっごく、くだらない事でAちゃんを怒ってしまった。

俺はAちゃんが好きで、でも素直になれなくていつもAちゃんを困らせている。

今回のことは本当にやらかした。泣かせてしまった。

『････うぅー！！！』

岩泉「うるせぇ」

バレーボールが後頭部に当たる。

ドゴッ

『やめてよ岩ちゃん････はぁ』

いつもなら反応するけど、今日はそんな余裕ない。

松川「はぁ･･････俺Aの様子見てくる」

え、Aちゃんのとこ？！

『俺も行く！！』

謝りたいし･･･

松川「ってか･････結局お前らもついてくんの？」

花巻「Aの泣き顔見たい。」

岩泉「泣かせたのは俺のせいでもあるから、謝りてぇ。」

烏野のマネちゃんに場所を教えてもらって扉からコッソリ覗くと････

『！！』

川西とAちゃんが楽しそうに会話している。

Aちゃんは目をタオルでおさえているけど、口は楽しそうにわらっている。

罪悪感がいっきに襲ってくる

岩泉「おい、どけ見えねぇ」

『ちょっ、岩ちゃん！！シーッ！！！(小声』

岩泉「じゃあ退けよ！！(小声」

グイグイと俺をおしてくる。

『ちょっ！！転ぶって？！あ、』

ガタッ

やらかした･･･(汗

A「っだ････誰ですか」

川西と目が合う。

「お願い黙ってて！！」とジェスチャーで表す

川西「･････ごめん椅子にぶつかった」

川西が間を開けてフォローしてくれる。

助かった･･･(汗

川西「んで、Aはさ、及川さんとかどう思ってんの？」

この質問に皆すこし緊張する

A「え、ぁあ･･･なんだろ、まぁ精神面はだいぶ削られる、よね。」

その一言が刺さる

川西「･･･辞めよう、とかは思わないの？」

『っ！！』

なにを言ってんだよ川西は？！

A「思わない、かな。」

川西「転校しようとかは？」

A「思わない。だって私は及川さんたちのプレーに感動して、この人たちのことを支えていきたい、って思ったから。」

A「こんな月並みな表現しかできないけど･･･私は及川さんたちが、青城バレー部が好きだから。」

川西「･･････そっか。」

『！！』

Aちゃんの声はとても柔らかくて温かみのある声だった。

俺ら酷いことしかしてないのに･･･

涙がじわじわ溢れてくる

グスッ

後ろから鼻をすする音が聞こえて振り返ると皆泣いていたり、涙目だった。
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