幼馴染。3 ページ25
･
ロメオ、太陽系デスコ、脳漿炸裂ガールを歌い終わる。
楽しい時間は一瞬。感動する間もなく、「アンコール！アンコール！！」と声が聞こえてくる。
あと、二曲。
そう考えた瞬間、やっぱり嫌だなぁ…と思ってしまう。
確かに私は最初、“天才音楽家”という肩書きから逃げたくて、“歌い手”になった。
両親が世界でも有名な音楽家で、私はその娘の零原A…そう呼ばれるのが、ずっと嫌で。
私だけの、親の功績は何も関係ない
でも、今は違う。
歌い手の皆に囲まれて、優しいリスナーさんに応援されて、支えてくれる幼馴染がいて…
“歌い手のRay”が、私にとって大切な居場所になっていた。
「Ray、どうしたの？」
『…目に焼き付けておこうと思って』
「そっか…こんな景色が見れるなんて、幸せだよね」
キラキラと輝くサイリウムを振って、皆が声を合わせて叫んでいる。
皆の笑顔も輝いていて…見ている俺達も、思わず笑顔になる。
『…ほんと、幸せだ』
“天才音楽家”じゃ、見られなかった景色。
あの時、奏が歌い手として、音楽の楽しさをもう一度教えてくれたから、見れた景色。
『Sou、今までRayを支えてくれてありがとう』
「…Rayのおかげで、Souも楽しかったよ」
どちらともなく、手を繋いだ。
感謝の気持ちを込めて、きゅ…と繋いだ手に力を加える。
「そろそろ行きましょう！
…と、その前に円陣！！」
まふくんが声をかけ、皆が集まってくる。
ぱっと手を離して、円陣に加わった。
「ライブ、最後まで盛り上がっていきましょう！！」
「「「おう！！！」」」
___Rayの、最後のステージが始まる。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴里風夢(プロフ) - 更新遅くなってしまい、そして返信せずすみません…！ゆっくり更新していくつもりですので、楽しんで貰えたら嬉しいです！ (2020年2月25日 10時) (
レス) id: caebae664e (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 続編楽しみに待ってます！！ (2019年8月6日 1時) (レス) id: 7dea81a844 (このIDを非表示/違反報告)
莉恩 - 思わず一番最初からさかのぼってきてしまいました！勉強お疲れ様です。更新ゆっくりでいいので、待ってます。 (2019年2月9日 15時) (レス) id: e944685ee0 (このIDを非表示/違反報告)
愛香(プロフ) - すんごく面白いです！早く続きが見たいっ…！応援してます！ (2019年1月28日 18時) (レス) id: 02509c761b (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん - そ、その文才と想像力を私に下さい！←更新、待ってます！ (2018年11月3日 12時) (レス) id: 45c54546c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴里風夢
| 作成日時：2018年4月7日 8時
