勝己症候群。【最終話】 ページ47
･
『
「ママ！ぼく、ハンバーグもっとたべたい！！」
『はいはい、野菜もちゃんと食べてね』
薄い金髪、赤い目。髪はさらさらで三白眼じゃないけど、凄く顔が整っている、私達の子供。
勝己のあの補正が、勝也にもかかっている気がする。幼稚園でもモテモテらしい。さすが。
勝己の映っているテレビを見ながら、ハンバーグを食べる。
見た目は全然変わらない。結婚して、子供もいるのに。だからまだ抱かれたい男トップ10に入るんだろうけど。
…そろそろモテ期終わって。
ガチャッと音がして、玄関から音が聞こえる。
玄関に行くと、仕事から帰ってきた勝己がいた。
『おかえり』
「おかえりー」
「おう」
テレビで見るより、数倍かっこいいな…と思いつつ、『お疲れ様』と声をかける。
勝也が近付き、勝己の耳元で何か言った。
「きょうもねーぼくとママはイチャイチャしてたよ」
「…お前」
「パパはおしごとたいへんだもんね。ぼくがママのそばにいるから、きにせずはたらいてね」
「……」
不意に、勝己が勝也の頬をつねった。
涙目で「いひゃい！！ママぁ…」と声を上げる勝也に、勝己は敵顔で笑っている。
…いや、何してんの。
『勝己、ほら離す』
「…チッ」
「ママありがと！！およめさんになって！」
『そういうのは、言いすぎると言葉の重みがなくなるから駄目だって言ってるでしょ？』
「常日頃言ってるのかよ…」
はぁ…と溜息を吐く勝己に首を傾げる。
幼稚園児って、普通に言うよね？私も前世で、このくらいの年齢の時に言ってたし。パパのおよめさんになる！って。
不意に、チャッチャラーと軽快な音がテレビから聞こえる。
勝也が「仮面ヒーローだ！！」と言って、リビングに走っていった。
『…仮面つけてるヒーローだから仮面ヒーロー、って安直すぎるよね』
「つけたのお前だろ」
まぁそうだけど。
高校卒業後、前世から憧れていたアニメ制作会社に入った。
ヒーロー活動は緊急時のみ。周りが優秀すぎて仕事がほとんどないし、あの頃に比べて敵も減ったからヒーローも暇を持て余している。ホークスが望んだ世界そのものだ。
『…次は、緑谷を主人公にしたアニメにしようかな』
「は？主人公は俺だろ」
『んじゃ、ヒロインは私で』
そう言うと、勝己は笑って私にキスをした。
幸せを噛み締めるように、目を閉じる。
勝己症候群。私は一生、君に恋患い。
Fin.
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さくらもち - ゆーいさん» そういうコメントを書くのやめた方がいいですよ？不愉快です (2023年2月22日 18時) (
レス) @page28 id: b55b6d22a6 (このIDを非表示/違反報告)
未桜 - 題名にも勝茶って書いてあるし、勝茶嫌なら自衛できるでしょ……。しかも原作とは違うってそれこそ夢小説でしょうが。原作のリスペクトがない行為とまでは言えないし。最終的な夢主の成長も含めて起承転結がしっかりとした面白い作品だと思いました。 (2022年4月1日 14時) (レス) id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - 題名が最初と最後で解釈が違って、オチまで完璧って……。超面白かったです! (2021年5月10日 2時) (レス) id: df990ea0da (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 私はこのコメント欄をみて悲しくなりました。 (2020年5月12日 0時) (レス) id: d1e84853e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーい - お茶子ちゃんの決意やら気持ちやらをガン無視しておいてなにがお茶子ちゃん推しですかって感じ こっちのがお似合いだよ！っつってもお茶子ちゃんからしたら余計なお世話でしかなくて草 (2020年3月5日 21時) (レス) id: 5ba46d626a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴里風夢
| 作成日時：2018年9月15日 21時
