勝己症候群。14 ページ43
・
夕飯を食べ終えて、お茶子に背中を押されて勝己の元に行く。
普通に、いつも通り『部屋に行ってもいい？』って聞けばいいだけなんだし…
よし、と自分を奮い立たせて、声をかけた。
『勝己』
「あ"？」
『部屋！…行ってもいい？』
うわ、たどたどしい。
勝己は微かに眉間に皺を寄せた。
「いいけどよ…てめぇ、なんかおかしくねぇか？」
『い、いつも通りだよ』
鋭すぎない？怖…
隠し事とか絶対バレそう…浮気できないな。
する気なんてさらさらないけど。
ていうか、キスする為に部屋に押しかける彼女って…大丈夫なのか？
そんな不安を抱えながら、勝己の後について部屋に向かった。
「『……』」
…気まずい。
勝己はきっと、今日の事故のことを気にしているんだろう。
でも、どうせ…初じゃないんだろうな。
イケメンだし、イケボだし、頭良いし、才能マンだし…
…何だこの完璧イケメン。イライラしてきた。
「…おい、何の用で来たんだよ」
痺れを切らして、勝己の方から話しかけてきた。
不機嫌そうな顔ですらイケメンって、アニメ補正ずるすぎる。
『…私と勝己、事故でキスしたんでしょ』
「なんで気付いて…！」
『だから、やり直しに来た』
…うわ、恥ずかしい。
キスやり直したい、なんて、女子っぽく振舞って…まぁ女子なんだけど。
ちらっと勝己を盗み見ると、顔を赤く染めていた。
うん、私の前だけの勝己だ。デレ期の。
あ、彼女いたんだろうし、私の前だけって訳でもないのか。
…あれ、私ってこんなに面倒な女だったっけ？
『…なんか私、凄く面倒な女みたい』
「あ？」
『その表情、他の子にも見せてたら嫌だな…なんて考えてた』
「は…！？」
より一層顔を赤くした勝己。
…え、面倒だなって呆れた顔されると思ってた。
はぁ、と溜息をついて、勝己は口の端を微かに上げた。
「…てめぇは面倒な女だろ」
『え、嘘』
自覚なかった…そんなに面倒な女だって思われるような行動してた？
…思い当たることばかりで逆に分からない。
何だろう…と考えていると、徐に勝己が近付いてきた。
そして、ニトロの甘い匂いに包まれる。
大好きなその甘い匂いに、思わず目を瞑って頬を緩ませた。
二人っきりの部屋で、耳元で、勝己が囁いた。
「…毎日、ドキドキさせられるこっちの身にもなれや」
『え…』
言葉を発する前に、私の唇は塞がれてしまった。
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さくらもち - ゆーいさん» そういうコメントを書くのやめた方がいいですよ？不愉快です (2023年2月22日 18時) (
レス) @page28 id: b55b6d22a6 (このIDを非表示/違反報告)
未桜 - 題名にも勝茶って書いてあるし、勝茶嫌なら自衛できるでしょ……。しかも原作とは違うってそれこそ夢小説でしょうが。原作のリスペクトがない行為とまでは言えないし。最終的な夢主の成長も含めて起承転結がしっかりとした面白い作品だと思いました。 (2022年4月1日 14時) (レス) id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - 題名が最初と最後で解釈が違って、オチまで完璧って……。超面白かったです! (2021年5月10日 2時) (レス) id: df990ea0da (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 私はこのコメント欄をみて悲しくなりました。 (2020年5月12日 0時) (レス) id: d1e84853e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーい - お茶子ちゃんの決意やら気持ちやらをガン無視しておいてなにがお茶子ちゃん推しですかって感じ こっちのがお似合いだよ！っつってもお茶子ちゃんからしたら余計なお世話でしかなくて草 (2020年3月5日 21時) (レス) id: 5ba46d626a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴里風夢
| 作成日時：2018年9月15日 21時
