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六話【甘い】 ページ6

ココアが届く前に、[天使について]と[天使の掟]を読んでおかなきゃ…

一番大事な紙を読み忘れていた事に気付き、ポシェットから慌てて取り出した。

…このポシェット、見た目に寄らずかなりの物が入る…別の空間にでも繋がっているのか?

まぁそんな事は置いておいて。



『…取り敢えず、読もう』




・・・・・





【天使について】



・天使には寿命が無い。但し、実体はあるので怪我等はする。

・天使の力というものがある。主に天使の翼、身体能力・五感・反応速度の向上、未来予知等。

・天使にとって、翼は命と同等の価値がある。翼が無くなる事は、天使にとっての“死”を意味する。




・・・・・




【天使の掟】



天使には、禁止されている事が三つある。


一、リスト外の人間を救う事

二、天使である事を無闇矢鱈に云う事

三、人間に恋をする事


尚、掟を破り続けた天使は、一定期間翼を失う。

特に三つ目の掟を破った者は、“禁忌を犯した”とみなされ、其の天使は翼を無くす。





・・・・・





『天使には、寿命が無いのか…』



じゃあ私は何時まで天使でいればいいんだ?

其れと、「天使である事を無闇矢鱈に(・・・・・)云ってはならないのだったら…



『無闇矢鱈にじゃなかったら、云っても良いって事…?」



其れは助かる。もし人の前で翼を出した時、天使だと云う事が出来れば楽だ。

あ、此れ…



『ウリエルの「禁忌を犯すな」って、

“人間を好きになるな”

って事だったのか』



…天使と人間が、恋?

有り得ないと思うけれど。
大体、リストの期限も長くて一、二週間だし…

リストを捲って、ピタッと目線を一箇所で止めた。



『…ん?この人だけ期限無しだ』



えっと、彼はヨコハマの…



「お待たせしました、ココアです」


『あぁ、ありがとうございます』



良かった、やっと飲める…



「…あの」


『はい?』



じっと見詰めていた店員さんに、声をかけられる。



「何処の国の方、ですか…?」



…あぁ、この髪と目のせいか。
黒髪だったら、生まれも育ちも日本です…って云えたのに。



『生まれも育ちも、日本なんです』


「だから日本語がお上手なんですね!」


『あ…有難う御座います』



流石に、この見た目で日本語が完璧なのは、違和感があるかもしれない。

敬語が出来ない、少し片言な喋り方にした方が自然なのかな…



『あ、甘くて美味しい』

七話【銀行】→←五話【天使達の勘違い】



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作者名:鈴里風夢 | 作成日時:2018年5月7日 18時

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