27番地獄 ページ34
「────んん…。
ん?」
寝ていたAがうっすらと目を開けると、夕方の夕焼けと共にはだけた自分のサラシと着物が視界に入った
その布団には見知った黒と赤の着物が被さっており、よく嗅ぐ鬼神の匂いが染み付いていた
「────はっ、そうだ。私鬼灯の代わりとして閻魔殿来てたんだった!!
はやく仕事部屋行かなきゃ…」
少し寝癖がつく髪を手ぐしで直し、鏡を拝借してサラシと腰の着物を巻き布団を整えた。
鬼灯の部屋の扉を開けると、そこは長い廊下があり閻魔殿の広い裁判所へ出る
その隣に鬼灯の仕事部屋があった
「────失礼します。」
仕事部屋の机にいた鬼灯を見つけると、Aは表情を明るくして「いたいた!」と手を振った
そこには閻魔と桃太郎もいた。
「あ、Aさんこんにちは!」
ぺこりとお辞儀をする桃太郎に、Aは歩きながら笑って返事をした
「こんにちは、桃太郎君。白澤と違って偉くてなによりだよ
もしかして薬の受け渡しに来てくれた?」
「いえ、桃太郎さんは書類を受け渡しに来てくださいました。」
その近くで筆をはしらせていた鬼灯が代わりに応え、桃太郎は若干苦笑いをしながら何かをふと思い出した
「そういえば、鬼灯様がいたってことはあの親善試合にもAさんはいたんですか?」
「────あの親善試合?」
はて。とAが首を傾げていると、鬼灯の後ろに立っていた閻魔が人差し指をたてて説明した
「あれだよ、Aちゃんが舞踊を踊ったやつ!
思えば白澤君と鬼灯君が仲悪くなった原因ってそれもあるかもなぁ」
あんまり覚えてないけど、と困ったように言う閻魔にAはあっと思い出した
「あれですか!
桃太郎君の言う通り、私もその場にいたけど私も競技枠は禁止だったの。まぁ審判枠か鬼灯にとられたから私は個人部門出場だよ」
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結菜(プロフ) - クリスマスなひとし君じゃなくてクリスタルひとしですよ笑笑 (2021年5月5日 17時) (レス) id: e175c16b78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼竜 | 作成日時:2018年5月24日 22時