8話 ページ9
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浮き輪に乗って流されるがままに浮かぶ私と、その浮き輪が下手なところに行かないように手で支える青薔薇。
かれこれ数十分他愛もない話をしながらこんな事をしてたのだが、不意に気になった彼女が青薔薇の表情をのぞき込む。
「……」
「……?なんだ、急に。俺の顔が恋しくなったか?」
覗き込んだ彼の表情は、1人でぼーっとしてるときのスンっとした無表情ではなく、心から楽しんでるような口角の上がりっぷりだった。それを見てなんとなくホッとする自分がいたのは、内緒である。
「というか、こんなに尽くしてる俺にも少しはご褒美があっていいと思うんだが?」
「…ご褒美って?」
「んー。そうだな……
___あ。」
少し顎に手を当てて考え込み、そこからニヤリと意地悪く口角を吊り上げる青薔薇にAは背筋に悪寒が走った。
「ちょ、何っ!?……ひゃっ!!!」
「浮き輪を持ってきたのが間違いだったなぁ。最初からこうすれば良かった」
「ちょ、何してんの青薔薇!!私その浮き輪が無いと溺れるんだけど……!?」
「あーあー必死に俺にしがみついちゃって可哀想ねぇ〜?クソ愉快♡」
突然浮き輪を倒され、体が前に出された私は逞しいタトゥーの入った腕に収まる。
外国と比べれば日本人は身長が低めなので、このプールも身長が160にも満たない私は普通に立つと水が入ってしまうのだ。
慌てて青薔薇の首にしがみつくと、浮き輪を持つ腕と反対の腕でしっかり私を支えてくれた。鍛え抜かれた筋肉を間近で感じて心臓が煩くなるのを彼も気づいたのか、さらに意地悪く口角を上げた。
「随分と熱烈なラブコールだなぁ〜新手のアイラブユーか?歓迎するぜ」
「意地悪しないでド変態。胸ばっかり見ないで」
「押し付けてんのはどっちだ??なぁ今夜ホテルとってもいいか?」
「馬鹿」
彼がしばらく楽しんだ後、潔く地上に降ろされた後は数分口を聞いてくれなかったのだとか。
ちなみに余談だが、身動きが取れないAの首筋にキスマークをつけて見事に引っぱたかれた自業自得なカイザーがいたんだとか。
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涼竜(プロフ) - 玉子ぷりんさん» ありがとうございます〜。゚(゚´ω`゚)゚。ピィ- (6月7日 1時) (レス) id: 98673a5f76 (このIDを非表示/違反報告)
玉子ぷりん - この小説が好きすぎてヤバイです!(?)更新楽しみです!おうえんしてます! (6月6日 22時) (レス) @page4 id: 07e67c9327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼竜 | 作成日時:2023年6月2日 17時