イライ・クラークに冷えピタを！【第五人格】

39話 ページ40

エミリー「随分待たされたのだけれど、一体何をしていたのかしら？」


A「あ、ははっ…お、おはよ…う…エミリー」



ダメだ…エミリーの顔を直視出来ない…


恐ろし過ぎて出来ない…


エミリーの声尋常じゃないくらい低いもん…



エミリー「何かまずい事でもあったの？」


A「ちょっ、ちょっと寝ぼけてて…へへっ…ごめんねぇ…」



恐る恐る顔を上げながら強ばる頬を必死に持ち上げて微笑みを作る


きっと今私凄い顔してるんだろうな…



エミリー「はぁ…別にいいわよ。ただちょっと聞き捨てならない単語が聞こえただけだから」


おっさんとか幽霊とか


そこの部分の私の声全部聞こえてたのか…！！



A「え、エミリーの事を言ってたわけじゃないの！夢に出てきてっ…それで私がテンパってっ…！だからっ！」



エミリー「分かったから。私の事は気にしないで貴方が一旦落ち着きなさい…」



物凄く呆れ顔で言われた…



A「はい…ありがとうございます…。宇宙一お美しいエミリー先生」



エミリー「媚びを売らないのっ」


A「いてっ」



今度は人差し指で軽く小突かれる


ちょっとご立腹みたいだったけど、今は満更でもない表情をしてるしとりあえずは大丈夫そうだ



エミリー「それで、あれからイライの調子はどう？今日はまだ1度も起きていないのでしょう？」



部屋の中に通すと途端に医師の顔色に変え、真剣な面持ちで私に問いかけて来た


私は横目でイライが隠れているであろう布団に目を向けながら先程まで起きていたことを隠す



A「うん…今日はまだ。昨日の夜中１回うなされてたみたいだったけど、それも直ぐに治ったし…」


エミリー「そう…」


顎に手を当てて考え込んでいる様子はいつも私達が頼りにしているエミリーダイアーそのもの


こんな彼女も長い荘園生活の中で、イライの様になってしまう日が1度でも来るのだろうか…



エミリー「やはり、熱が出てる時は不安定な夢見の事が多いわね…」


A「じゃあ、うなされてたのは熱のせい…？」



熱のせいだと言われればそれは一時的なものだから今対処してあげれば良いだけのこと


昨日みたいにね


けどもしこれがイライの日常で、毎日見ている夢が悪夢なのだとしたら…




エミリー「えぇ、それは熱の影響で間違いないと思うわ。1度イライを一晩医務室で寝かせた事があったのだけど、特に何も起こらなかったもの。その点は安心してちょうだい」


A「よ、良かったぁ…」


だったら今の間だけ私が傍にいてあげれば問題ないよね…！




エミリー「ただ…」

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