16話 ページ17
いや、正確には差し出そうとした
A「はい、どうぞ…
って、ちょっとイライさん!?」
準備が整ってさぁ反応を見ようと後ろを振り返ってお盆を差し出した時に映っていた光景は、ちょうどイライさんが布団から出ようと足を上げている所だった
何さりげなく脱出しようとしてるんですか
イライ「へへっ…やっぱりまだダメかな……?」
困ったような照れてるような曖昧な顔でこちらを向くんじゃない!
思わず承諾しそうになるじゃないか
A「ダメに決まってます…!エミリーにも最低は3日間休ませるようにキツく言われてるんですからね!」
イライ「ははっ、手厳しいなぁ…」
イライさんは特に残念がることも無く素直に布団の中へ戻ってくれた
こういう所はホントに手間がかからなくて助かるのだけどね…
では、改めて
A「はい、どーぞ」
今度こそイライさんの手にしかりとお粥を渡した
イライ「ありがとう。おっと、これは何だい…?」
乳白色をしてドロッとしたものが滑りを効かせ、多量の水分と共に溶け込んでは時たま光を見せる
その上には黒みがかった紅色の丸い実が、真っ白な背景の前に立ち塞がるかの如く映えて異様な存在感を放っている
きっと彼の目にはそんな風に見えているのだろう
A「多分貴方も聞いた事のある食べ物ですよ?」
イライ「おや、それは私を試しているのかい?」
A「ちょっとした遊戯も時には必要です!」
イライ「遊戯はいつもの試合だけで十分だよ…」
そう言いながらも「うーん…」と顔に手をあてて考える素振りをするイライさん
上手く流されるかもしれないって思ってたけど、律儀に付き合ってくれるんですね…
イライ「そうだなぁ…。私はこの食べ物を見るのも初めてだし、恐らく聞いたことがあっても1度や2度程度。
…これはなかなかの難問だね」
A「当てられたら、1つこの場でお願いを聞いてあげます。それ相応の対価がないと遊戯は成り立ちませんから」
イライ「へぇ…」
その言葉を聞いた瞬間イライさんは考える素振りを辞め、意味ありげに艶やかな笑みをこぼした
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すずらん(プロフ) - 【湖の宝石】さん» コメントありがとうございます!2件もコメントを頂いていたのに返信が遅くなってしまい大変申し訳ございません…!!胸がぽかぽかは果たして彼にとって本当に良き感情なのか…。仰る通り…!うちの荘園はアットホームの仲良し荘園です!(*´ω`*) (2021年12月9日 22時) (レス) id: 6a74d72e52 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - えtrdtrsytふydydtさん» コメントありがとうございます!返信が遅くなってしまい大変申し訳ございません…!!そうですね…!セクワというのは串焼きですがここでは唐揚げみたいな感じで捉えて頂けると嬉しいです!唐揚げ!っていう悪口もなかなか想像つきませんがそこは多目に…苦笑 (2021年12月9日 22時) (レス) @page50 id: 6a74d72e52 (このIDを非表示/違反報告)
【湖の宝石】(プロフ) - 更新お疲れ様です!イライ…胸がぽかぽか…それって…まさか…ね? (2021年5月16日 23時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
えtrdtrsytふydydt - セクワって串焼きな事じゃないのか・・・ (2020年12月26日 20時) (レス) id: 02b5762701 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - ぬるさん» コメントありがとうございます!!思ったより重症化してしまってるイライくんですが、読者様のお陰で着々と回復して行ってますよ...!(^^)これから先も看病よろしくお願いしますね...!!私も好きです!!!(大声) (2020年11月16日 16時) (レス) id: 6a74d72e52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずらん | 作成日時:2020年8月1日 20時