鈴蘭は可憐に咲き誇る～第3章～ (ページ9)

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放課後。

先生の呼び出しから作ちゃんと一緒に生徒会室へ戻ると、優斗先輩が待っていた。

作「お待たせしました。」

「遅くなってすみません。」

髙「いや、大丈夫だ。用はもう済んだのか？」

作「はい、大丈夫です。」

髙「よし、じゃあ行こうか。」

優斗先輩の後に続くと、着いたのは…。

「空中庭園…？」

髙「そうだ。俺の任ももう直ぐ終わり、次世代…お前達に引き継ぐ事になる。卒業も近い。2人とは2年離れているからな、短い時間だったが…良い時間を過ごせた。いつも仕事ばかりだし、偶にはのんびりするのも良いと思ってな。」

そっか。

優斗先輩は3年生。

任期満了で引退して、その後はそんなに時間を置かず学園を卒業する。

会えなくなっちゃうのか…。

そう思っていると、ぽんぽんと頭を撫でられた。

今まで何度か撫でてもらった事があるけど、より一層優しい気がする。

隣にいる作ちゃんも、珍しく撫でられている。

髙「そんな顔するな。今学期の生徒会三大行事の内二つは無事終わったし、後は選挙だけだ。準備は終わっているし本番次第だが、心配するな。お前達の仕事も減らしてあるから、選挙まで残り数日はクラスに行く時間も取れるだろう。今日はゆっくりすればいい。」

作「はい。ありがとうございます。」

「ありがとうございます、優斗先輩。」

折角だから、お茶会とかどうだ？と優斗先輩から提案され、優斗先輩自ら紅茶を淹れてくれた。

フワッと、ローズの香りが広がる。

髙「うちでよく飲むんだ。母が薔薇と紅茶が好きでね。自宅で育てた薔薇を使っている。」

「凄く良い香りで、色も綺麗ですし美味しいです。」

髙「姫は気に入ってくれたか？」

「はい！」

髙「そうか、それは良かった。龍斗はどうだ？」

作「蒼弥程花や紅茶に詳しくはありませんが、良い香りですし美味しいです。」

髙「そうか。」

それから暫くは穏やかな時間が流れ、他愛もない話で盛り上がった。