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cherry blossomの咲く頃に 1 ページ38

猪狩 side



作「やっぱりここに居た。」



「えへへ、見つかった。」



空中庭園にある、鈴蘭の花壇の前。


そこに居たら作ちゃんが来た。



お見通し、って感じだね。



作「最後は此処に来るって思っていたから。」



「うん。思い出たくさんある場所だから。」



作ちゃんの口調を真似してみる。


後輩達から貰った鈴蘭の花束を見つめ、目を閉じて香りを感じていると、作ちゃんも同じ事をしていた。



3年間過ごした中で、生徒会室の次に多くの時間を過ごしたと思う。



作ちゃんと一緒に、先輩や後輩、同級生、時には一人で。



でもそれも、今日でお終いだ。



今日は、俺達の卒業式だから。



「高校生活、あっという間だった。涼先輩に再会して、優斗先輩と瑞稀先輩、謙杜くん達にも出会って、生徒会の仕事、大変だった事もあったけど、凄く楽しくて、充実した高校生活が過ごせた。でも、何より、作ちゃんに出会って、最初怖がって申し訳なかったけど、思い出して、作ちゃんからたくさんの愛をもらって、本当に、幸せだよ。」



振り向いて作ちゃんを見つめながら、そう言った。


どうしても、伝えたくなって。



少し切なそうに、でもいつもの優しい笑顔をしながら作ちゃんは言った。



作「…俺、蒼弥を入学式で見つけた時、運命だと思った。蒼弥と再会出来て、本当に嬉しかったんだ。俺も、幸せだ。」



うん、俺も同じ事思った。


でも口にはしない、多分伝わってるから。

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作者名:u | 作成日時:2021年4月3日 23時

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