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選挙が終わって1週間後。
俺が選挙で大々的に言った、黒薔薇と類似組織を永久廃止にするという発言について、理事会で大いに揉めた。
普段生徒の参加は許可されていないが、宣言した張本人として呼ばれたのだ。
学園の闇、外道の組織…黒薔薇。
独自で調査していると、その闇は恐ろしく深かった。
理事会としては、学園の裏組織を作る事で、悪事を働く生徒を一箇所に集中させ、被害を最小限に抑えようという狙いがあった。
最初は数人だったグループが、やがて大きくなってしまい、一時は50人近くにもなったらしい。
学園の歴史に残る、酷く荒れた時だった。
それから何とか人数を減らしたものの、黒薔薇を名乗りながらも全く違う、つまり黒薔薇を偽装した外道グループが出来ていた。
黒薔薇は表沙汰にもなる様な、大きな事件を起こすのに対して、黒薔薇を偽装した外道は、簡単に揉み消されてしまうような事件を何度も起こしていた。
生徒会本部が知らなかった理由は、此方へ話が来る前に、事件が無かったことにされていたからだ。
被害に遭った生徒は、学園を辞めてしまったり不登校になったりしていた。
それに対して、加害者側は変わらず学園生活を送っていた奴が多い。
自主退学をした者も居るけど、それはごく一部だ。
全て風紀委員会と理事会で事件を片付けていたらしく、選挙後に那須先輩が資料を持って来て話してくれた。
結局、理事会が期待していた黒薔薇の本当の役割は果たされず、学園が荒れるだけだった。
そんな組織なら不要だと言い切れば、理事会は永久廃止を承諾した。
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作者名:u | 作成日時:2021年4月3日 23時