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姫の存在が、学園内での力を大きく左右する。
姫は、生徒会長とほぼ同等に、決定権を持つからだ。
生徒会本部に姫が居れば、本部が学園内で絶対的な組織となる。
風紀に居れば力が分割され、風紀の力が大きくなる。
どちらにも居なかった場合、姫の発言が全てになる。
俺以外の本部メンバーと風紀がそれぞれ自分の組織に蒼弥を入れたかったのは、そういう理由だ。
浮所先輩の目的は、"学園の姫"の力を手に入れる事、生徒会本部の力を削ぎ、風紀の力を増加させ同等にする事、そして、俺の力を無くす事。
俺が蒼弥を好きだと知っているからこそ、絶大な効果があったけど、全て阻止した。
確かに、生徒会本部は代々優秀で、いつの間にか絶対的な存在になっていた。
でも、風紀に力を移したところで、対立するだけ。
風紀に移していた委員会の管轄も、あくまで一時的なもの。
ある程度の人数が揃えば戻す事は決まっていた。
風紀委員会は、あくまでも委員会のトップだ。
危ない仕事が多い分、権限は他の委員会より多く持っているが、最終的な決定権は本部が持っている。
委員会も、生徒会の活動だからだ。
だから、生徒会の第二の組織を作る事でそこに委員会管轄を組み込み本部の力を分散させつつ、執行部のメンバーに道枝と長尾くんを加える事で地盤を固めた。
風紀は必要不可欠だが、必要以上に力を持たせる事は危険だった。
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作者名:u | 作成日時:2021年4月3日 23時