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選挙の時の風紀と黒薔薇の騒動は、ある意味浮所先輩のシナリオ通りだった。
始まりは、体育祭。
万が一何かあった時、事が大きくならず即解決できるよう、本部のテントは目立たない場所にあった。
確かに実行委員なら、本部テント付近に居ることもあったけど、本部メンバーも基本何かしら作業をしていたし、5人でずっと居たわけでもない。
実行委員との会議は瑞稀先輩と偶に補佐で俺が参加していたし、本部メンバーの参加は毎回ではなかった。
噂が出るのは仕方ないが、浮所先輩が以前言っていたような、蒼弥の容姿をあれ程詳しく覚えている事には違和感があった。
実行委員の中に黒薔薇が居て、浮所先輩が事前に蒼弥について教えていたからだ。
でも名前を知らなかったのは、浮所先輩が教えていなかったから。
1年生の間で噂がすぐに収まったのは、道枝のおかげでもあるけど、黒薔薇が居ないからだった。
実際、2、3年生の間では、噂が収まっていなかったらしい。
文化祭ではあの事故があっただけ。
しかも、裏には何も無かった。
ただ、更に裏で浮所先輩は動いていたのだ。
体育祭で黒薔薇に蒼弥の存在を植え付け、1年生を襲わせる。
姫…蒼弥に、生徒会本部は危険だと思わせ、自分の側に置く為に。
そして、俺単体の戦力を減らす為でもある。
俺に本来の目的に気づかれないよう、蒼弥に意識を向かせる。
俺にとって一番効果的だ。
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作者名:u | 作成日時:2021年4月3日 23時