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作間 side
いよいよ選挙が始まる。
浮所先輩が、どんな事を仕掛けてくるのか正直予測できない。
だから俺は、小細工しないで正面からアタックして勝ち取るしかない。
それでも、勝てると信じている。
優斗先輩の姿を見てきて、まだ1年だけど、先頭に立ってこの学園を引っ張っていきたいと思った。
それに、蒼弥がいる。
無様に負けたりしたくないし、浮所先輩がどんな手を使ってきても勝ちたい。
蒼弥と自分の為にも、そして、先輩方の為にも。
ただ、分からないけど、浮所先輩と話してから、ずっと違和感と不信感を抱いていた。
井「只今より、第七十五回生徒会選挙を始めます。」
瑞稀先輩の挨拶で、選挙が始まった。
最初に解任式の為、直ぐに壇上へ行く事になっている。
蒼弥はここで初めて、公の場に本部役員として立つ事になる。
「…蒼弥。」
隣で震えている蒼弥を、そっと抱きしめた。
「大丈夫。蒼弥は、俺が守るよ。」
猪「…作ちゃん、ありがとう。」
蒼弥が落ち着いたのを見て、優斗先輩が瑞稀先輩へ合図を出した。
井「始めに、第七十四代生徒会の本部役員の解任を行います。本部役員は前へ。」
5人でステージに出ると、静かだったホールが一気に騒がしくなる。
それはそうだ、4人だと思っていた筈が、5人居たのだから。
俺は入って早々にメンバーとして発表されていたけど、蒼弥は違う。
さあ、此処からが勝負だ。
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作者名:u | 作成日時:2021年4月3日 23時