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転生283 ページ45

私たちが起きたのは、帰る30分前だった。


「お前らいつまで寝てるんだ」


呆れる相澤先生の声が聞こえて、私は目を開ける。


時計を確認すると、思っていたよりぐっすり眠っていたようだ。


隣の天喰先輩を軽く揺すって起こす。


「30分後にロビーに集合

 遅れるなよ」


相澤先生は目を鋭く光らせながらそう言って、私たちの部屋を後にした。


「星屋さん、ごめん 寝すぎた」


天喰先輩が目を擦りながら謝ってくる。


けれど、それはお互い様だ。


「いいですよ 私も寝てましたし、同罪です

 それよりも早く準備しましょう 相澤先生、本気の目でしたから」


遅れていったら、許さない。


相澤先生はそんな目をしていた。


天喰先輩は私の言葉に頷いて、手早く荷物をまとめ始める。


私も早く準備しないと。


荷物はそんなに、というかほとんど無い。


だから、ベッドを整えたりしていた。



私たちが寮に戻ったのは、夜だった。


玄関に集合してからも色々手続きがあって、少し遅くなったのだ。


そういえば、今日の分の仕事しないとなあ。


1日サボってしまったから、溜まっているかもしれない。


裏社会というものは、情報が混乱しやすく、私みたいな人には依頼がよくくる。


リビングでみんなと話したい気持ちも少なからずあったけれど、私は顔だけ見せて部屋に戻った。


病院で寝たお陰で、眠たさは感じられない。


よし、仕事部屋行くか。


気合いをいれてエレベーターに乗り込むと、かっちゃんも一緒に乗ってきた。


「おい、俺も乗る」


そう言いながら、閉まるドアを押さえて入ってきたのだ。


ええ...という嫌な顔をすると、「明日朝から早いんだよ」的なことを言われる。


そういえば、かっちゃんは轟くんと仮免講習に行くんだったけ?


「それって、相澤先生が付き添うの?

 エリちゃんのこととか怪我とかで忙しそうだけど」


気になって訊いてみると、かっちゃんはそっぽを向いて知るか、と答える。


そんなことを言っている間に4階につく。


私はエレベーターを降りながらふと思う。


よく考えたら、あそこで乗ってきたのがかっちゃんでよかったなあ、と。


もし、轟くんだったら怪しまれるか、私がバカになったのか、疑われてしまうから。


よし、エレベーターを使うときは、ちゃんと回りを確認しよう。


そう心に決めて私はかっちゃんと別れた。

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鈴蘭(プロフ) - potapotawさん» 初期から読んでいただいているとは、ありがたいです!最近は、なかなか更新出来ず申し訳ないです。頑張って更新していこうと思っているので、お付き合いいただけると嬉しいです! (2018年9月8日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
potapotaw(プロフ) - 初期の頃から読んでいる者です。敵とヒーローの中間にいる?ハッカー、とてもカッコいいです!内容もドキドキする展開などが多く次はまだか~[壁]‥) チラッ. |ω・`)と毎度なっちゃいます(笑)この作品好きすぎて…。更新の方頑張ってください!いつまでも待ってますb (2018年9月8日 21時) (レス) id: 7ac955efaf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年6月10日 1時

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