検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:29,226 hit

転生269 ページ31

私は決意を固めている中で窃野は笑っていた。


「痛そうだな!!でもおまえら良い相性してるぜ」


多部が起きて優勢になったからだろう。


ボーっとしてる場合じゃない。サポートしないと。


私は多部をもう一度蹴り飛ばしそのまま抑えつける。


「飯...飯...」


私の下でうめく。


これで天喰先輩が楽になれば、そう思ったけれど少し遅かったようだ。


天喰先輩はガード用の顔の甲羅を窃野に取られ、そこに宝生が畳みかけるように拳を加える。


反応は何とかできたようだけれどそのまま受けたらダメージが半端じゃないはず。


私はとっさに時間を止めて、天喰先輩のところへダッシュする。


数秒しか止められないけれどそれだけあれば十分だ。


「大丈夫ですか、先輩」


後ろに流れる天喰先輩の体を受け止めながら、声をかける。


顔の傷がひどい。


私の“個性”で治そうとするけれど、傷が少しだけ浅くなるだけで痛みは消えないだろう。


「すみません、私じゃ治せないです」


謝ると、天喰先輩は首を横に振った。


「気にしないでいい

 今は彼らを何とかするのが先だ」


その言葉が頼もしい。


前を向くと多部が迫ってきているところだった。抑えが足りなかったな。


「星屋さん、俺の腕にマダコの...神経毒を再現......する

 だから...避けないで.........いい」


多部が喰らいついてくるとき、天喰先輩がかすれる声でそう言った。


自分にもダメージが来るのに、いいんだろうか。


まあ、天喰先輩がいいなら私は何も言わないけれど。


答えるように軽く頷いて、私は後ろに流されていた姿勢から地面に着地する。


そのタイミングで多部も飛び出してきた。


よし、そのまま噛みついて。


しかし、その思いは届かない。


なぜなら、窃野が天喰先輩のタコ足を取ったからだ。


小さくなりすぎてたか...


私が多部をもっと抑えていれば、いや、今考えるのはそんな事ではない。


「っぶない」


ギリギリのところで直撃は免れたけれど、宝生が結晶で攻撃してきていた。


天喰先輩を抱えていたから、反応が少し遅れる。


私の足に結晶がぶつかり、鈍い音がした。


そして、天喰先輩にも結晶が当たってしまったようだ。


かわせなかったな。


「痛いなあ、その結晶固いね」


着地できるけれどやっぱり痛む。


思わず膝をついてしまった。


その勢いで、天喰先輩を前に放り出してしまう。


「星屋さん、大丈夫?」


天喰先輩が私の横に並んでそう聞いてくる。


「とりあえずは 天喰先輩に比べればどうってことないですよ」


そう言って笑みを浮かべてみた。

転生270→←転生268



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
44人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鈴蘭(プロフ) - potapotawさん» 初期から読んでいただいているとは、ありがたいです!最近は、なかなか更新出来ず申し訳ないです。頑張って更新していこうと思っているので、お付き合いいただけると嬉しいです! (2018年9月8日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
potapotaw(プロフ) - 初期の頃から読んでいる者です。敵とヒーローの中間にいる?ハッカー、とてもカッコいいです!内容もドキドキする展開などが多く次はまだか~[壁]‥) チラッ. |ω・`)と毎度なっちゃいます(笑)この作品好きすぎて…。更新の方頑張ってください!いつまでも待ってますb (2018年9月8日 21時) (レス) id: 7ac955efaf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年6月10日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。