26 ページ26
ギャアギャア騒ぐ声が聞こえて目を覚ませば、昼間だった。
私が目を覚ませば、パチパチっと女性と目があった。
「あ、目を覚ましたんですね」
横を見れば、炭治郎が黒子に起こされていた。
目の前には6人、いや木の上に一人と、少し離れたところに立っている、あの時の水の呼吸の使い手も含めれば8人の鬼殺隊。
やけに個性が強い人たちだな、と目を細める。
「...な、なんだこの人」
「まだ口を挟むな馬鹿野郎!!柱の前だぞ!!」
『...はしら...』
そうか、この人たちが柱なのか、と口角が微かに上がった。
「ここは鬼殺隊の本部です。貴方方は今から裁判を受けるのですよ。竈門炭治郎くん、雲林院Aさん」
なぜ名前を知っているのだろうかと思ったが、口を閉じた。
それにしても、私も隊律違反の裁判にかけられることになるとは。
「裁判を始める前に、君が犯した罪の説明を」
彼女が続けて口を開けば、何人もが重ねるように話し出した。
「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜェ。もう派手派手だ!」
「ああ、なんという見すぼらしい子供達だ。可哀想に」
いや、個性強すぎないだろうかと、上半身を起こして周りを見渡す。
見覚えるのある庭だった。
「禰豆子ッ、禰豆子はどこだ?!」
禰豆子ちゃんがいないことに気がついた炭治郎の叫びに、私も周りを見やるが箱は見えない。
「そんなことより、冨岡はどうするのかね。拘束もしてない様に俺は頭痛がしてくるんだが」
その後もぐちぐちと言っていたが半分は頭に入ってこなかった。
見慣れた景色に、ふうと緊張の糸を抜くように静かに息を吐いた。
「冨岡さんに関しては大人しく着いてきてくれましたし、処罰は後で考えましょう」
ニッコリと笑う彼女は私たちの方を見た。
「それよりも私は坊やたちから話を聞きたいですよ」
私と同じく上半身を起こした起こした炭治郎。
話出そうとすれば噎せると、彼女は鎮痛剤入りだという水を飲ませた。
114人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです!無限列車編書いてほしいと思いました。自分のタイミングで良いのでいつか書いてください。 (2020年3月2日 13時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あおいろ | 作成日時:2020年2月10日 8時