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首を切られて、ふらふらとこちらへと歩き寄ってくる鬼に私は刀を構えようとすれば、炭治郎に服を掴まれた。
「...悲しい匂いがするんだ...A」
私は立ち上がりその場所を退いた。
すると、目の前で倒れるように灰になっていく鬼の背中へと炭治郎は手を置いた。
「人を食った鬼に情けをかけるな、子供の姿をしていても関係ない。何十年と生きている醜い化け物だ」
鬼が消えた後、助けに来てくれた男性はその着物の上へと足を置き冷たく放った。
「殺された人たちの無念を晴らすため、、、ッこれ以上被害を出さないため、、、ッもちろん俺は、容赦なく鬼の首に刃を振るいます。だけど、鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を踏みつけにしない、鬼は人間だったんだから、俺と同じ人間だったんだから、足をどけてください!!」
その言葉に私は驚いて目を見開く。
どんだけ優しいんだ、この人は。
「醜い化け物なんかじゃない、鬼は虚しい生き物だ、悲しい生き物だ!!」
二人の様子を見ていると、遠くからものすごいスピードで走ってくる音が聞こえた。
『誰か来る、人間だ』
目を見開き木々の奥を見れば、こちらへと刀を向けて走ってくる姿。
『...女??』
カキィンッ
禰豆子ちゃんを狙ったであろう刀は、水の呼吸を使う彼が弾いた。
「あら??どうして邪魔をするんです、富岡さん」
彼の名前は富岡さんというのか。
「鬼とは仲良くできないって言ってたくせに何なんでしょうか。そんなんだから、みんなから嫌われるんですよ??」
鬼殺隊の制服に羽織、おそらく同じ鬼殺隊だろう。
全くもって、目が笑っていない。
炭治郎と禰豆子ちゃんをどう守ろうかと、静かに刀を抜こうとした時、彼女と視線があった。何かを言おうと口を彼女が開きかけた時、富岡さんが先に言葉を発した。
「俺は、嫌われてない」
「あぁ、それすみません。嫌われている自覚がなかったんですね」
「余計なことを言ってしまって申し訳ないです」と続ける女性に、私は静かに炭治郎たちの前へと立つ。
「お嬢さん、坊や。庇っているのは鬼ですよ、危ないですから離れてください」
「違います!!あ、いや違くないけど!!」
炭治郎は妹であることを伝えるが、女性は刀をチャキと鳴らした。
「では、苦しまないよう優しい毒で殺してあげましょうね」
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人形師(プロフ) - 凄く面白いです!無限列車編書いてほしいと思いました。自分のタイミングで良いのでいつか書いてください。 (2020年3月2日 13時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおいろ | 作成日時:2020年2月10日 8時