�� ページ10
向井side
朝の申し送りでしょったくんが発熱したと聞きびっくり。
昨日昼間あった時は元気やったけどな、病棟でも風邪流行ってるからね。
とりあえずおかゆに変更された朝食をもってしょったくんの部屋へ。
向「入るな―」
寝てるかもしらんから、一応小さい声で。
ベッドの中を見ると、まだ少し顔が赤いしょったくんが、ぼんやりと天井を眺めていた。
シナモンがしょったくんの真横で一緒に布団を掛けられとる。
いつもよりシナモンと距離近いのは、不安になって引き寄せたんかな。
…めっちゃかわいい。…しまった、カメラもってないわ。
翔太「むぅ…こーじ？」
向「朝ごはんもってきた。まずお熱測らせてな」
…37.３℃か。昨夜よりだいぶ下がった。まだ微妙につらいかな？
向「しょったくんご飯食べよか」
翔太「いらない」
向「まあ食べる気せえへんのはわからんでもないけど、ちょっとだけでいいから食べたほうが治るの早いで？」
食べてくれへんと点滴になってしまうからな。それだけは避けてあげたい。
翔太「ぜったいいらないから」
向「なんでそんなむきになるん(笑)」
深「いやいや言ってるのは誰ですか〜」
向「あっ、ふっか先生！」
サンダルをぱたぱた鳴らしながら入ってきた主治医。
しょったくんが明らさまに顔をしかめる。
深「しょーた、こーじ優しいからって困らせないの。」
翔太「…食べたくないもん」
深「まあいいや。舘さんたちから聞いたよ〜お熱あがっちゃったんだって？ちょっと風邪ひいちゃったかな？」
あっためたチェストピースを、しょったくんが拒否する前に滑りこませたふっか先生。こういうところ、ほんまに器用。
深「はい、いいよ。次おめめ見せてねー」
翔太「いやなのー」
向井「はいはい、一瞬な」
駄々こねるしょったくんの頭を軽く支える。
深「貧血は大丈夫そうだけど、整腸剤は出すわ。食後に飲ませて。」
向「了解です」
深「じゃ、ほんのちょっとでもいいから口から栄養とること。メニュー変えてもらったから食べやすいと思うよ？点滴は翔太も嫌でしょ？」
不服そうだけど。小さくうなずくしょったくん。先生には逆らえへんのね(笑)
ふっか先生が出ていった後、スプーンにおかゆをすくってあげると、小さく口を開けた。
5口くらい頑張ってくれたから、たくさん褒めて、
薬もなんだかんだで頑張って飲んでくれたから、もう大袈裟なくらい褒めた。
早く元気になってこーじと遊んでな。
fin
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 413人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シルク | 作成日時：2023年9月23日 22時
