ぬくもりにつつまれて (ページ7)

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風邪① ページ7

目黒side

消灯時間になり、子どもたちの部屋を順番に回る。

次は翔太くん。
寝てるかもしれないから静か目にドアを開け、ベッドの中をのぞくと。

目「あれ、翔太くんお熱ある？」

翔太「ん～」

なんだかぐったりしている翔太くんを発見。
そっと触れると普段より高いなーってわかるくらい熱い。

目「お熱測ろう」

翔太「んー」

目「頭いたいとかある？」

翔太「ない、ねぇーやだぁ」

目「はいはい、ちょっとごめんよ」

ぐずる翔太くんの脇になんとか体温計を滑り込ませる。

…37.8℃。

目「寒い？」

翔太「ちょっと」

…これはまだ上がるやつだね。

目「俺、毛布とお水もってくるから。すぐ戻るからちょっと待ってて？」

翔太「やーだ、いかないで」

いつの間にかぎゅっと服を引っ張られていた。
ちょっと不謹慎だけどかわいいと思ってしまったよ(笑)

目「わかったわかった。ナースコール押すから一瞬離して？」

不服そうながらも素直に離してくれたので、ナースコールを押す。

佐『翔太～？どうした？』

目「目黒です。翔太くん熱上がってきているので、毛布とお水、お願いできますか。」

佐『おっけ。すぐ行く』

翔太「んんぅー、、」

熱があるとわかって辛くなってきたのか、急にぐずぐずスイッチが入った翔太くんをなだめていると、佐久間くんがすぐにやってきてくれた。

佐「翔太ー、あったかくしようね～。ちょっと水分も摂ろうっか」

翔太「やだのー」

佐「はい、お水かな、お茶かな、りんごかな、ぶどうかな～？」

さすが先輩。水分補給に乗り気じゃないことを見越して、本人に選ばせる作戦。勉強になる。

翔太「……ぶど、」

佐「ぶどうさんね～！はいどうぞ。ちょっとずつでいいよ？」

ゆっくりだけどちゃんと飲んでくれた。これで脱水もひとまず安心だね。