�� ページ44
佐久間side
A「では、失礼します。おはよ？」
翔太が俺の手をずっと抑えてるから翔太の表情はまったく見えないけれど、比較的落ち着いてる。あいかわらず返事はできないけどね(笑)
佐「翔太？Aちゃんがおはよーって。」
翔太「(コクッ)」
佐「あ！おはようできたじゃん！」
やったね！、と翔太にばれないように空いた方の手でAちゃんとグータッチ。
A「では失礼します。回診前に先生に申し送りしておきますね」
佐「助かる！ありがと」
Aちゃんが出ていってから、手を翔太の顔から離した。
佐「翔太ー、お顔洗う代わりにあったかいタオル持ってきてもらったから。」
翔太「うん」
綺麗好きの翔太は、このあったかいタオルが大好き。たまに動けないときにやってあげるとすごく喜ぶんだよね。
佐「先に血圧測らせてね、腕出すよ、」
布団の中から腕を出させて、寝たまま使える血圧計を巻き付ける。
翔太「いやあ」
佐「ん〜今日は嫌なの？いつも上手にやってるじゃん〜」
翔太「むぅ」
佐「はーい、しょーたくん、上手だねぇ」
血圧計が示した数値を見て納得。
辛いわけだ、これは。
翔「…たおるやって？」
佐「ごめんごめん、お顔ふこうね」
温かいタオルで優しく包んであげると、辛そうだった翔太の表情が少し柔らかくなった。
翔太「きもちぃ、、」
佐「ほんと？よかった〜翔太のお肌はもちもちだね」
翔太「ふふ、」
こうして喜んでもらえるのは、看護師として嬉しい瞬間の1つ。
佐「時間経てばラクになってくると思うから」
翔太「え、もしかして行っちゃう？」
あれ、翔太さん、少々分離不安気味ですかね？
普段も甘えただけど、ここまでじゃない気がするな。
でも配膳もあるし、主任としての仕事もあるからね。ちょっと誰かに交替してもらわないと。
佐「俺もこのままここにいたいけどご飯の準備とかあるからさ、ちょっと誰かと交替させて？」
翔太「……めめがいい」
佐「りょーかい」
めめにご指名だよって連絡したら、すぐ飛んできたわ(笑)
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作者名：シルク | 作成日時：2023年9月23日 22時
