甘えたモード�� ページ43
佐久間side
患者さんの起床時間。順番に部屋を回ってまだ小さい子は一緒に顔を洗ったりお手洗いへ行ったりする。
佐「翔太おはよう〜」
さて、今日はちゃんと起きてくれるかな〜なんて考えながらいつも通り部屋に入ると…
ベッドの中から小さく唸るような声が聞こえてくる。
佐「えっ？どうしたの〜」
慌ててベッドに駆け寄ると、布団から顔をちらっと出した。
ん？なんか顔色悪い?
翔太「…ぐるぐる、する、、」
ありゃ、これは低血圧かな。
佐「辛かったね〜。いつからかな？」
翔太「さっきおきたら…」
佐「そっかそっか。温かいタオルもってくるからちょっと待てる？」
翔太「、、ﾋｸｯ、やだあ、」
泣きながら裾をきゅっと掴まれた。
そんなことされたら置いていけないよ〜(笑)
仕方ない。…あ、翔太に慣れてもらうのも兼ねてAちゃんにお願いしよう。ポケットからＰＨＳを取り出して連絡する。
佐「あ、Aちゃん？佐久間ですけどー、808に血圧計とホットタオルお願いできる？」
A『すぐお持ちしますね』
翔太「んんー、、」
Aちゃんとやり取りしている間もずっと唸っていて、辛そう。
佐「ぐるぐるするの嫌だね、こうしとこっか？」
手で目元を覆ってあげろと、少し安心したのか素直に目を閉じた翔太。
ほどなくして、ノック音のあと、ドアからタオルと血圧計をもったAちゃんがちらりと顔をのぞかせた。
A「おまたせしましたー」
佐「おーありがと！翔太？Aちゃんがあったかいタオルもってきてくれたからちょっと受け取ってくるね？」
翔太「んーん、いかないで？」
佐「え〜、すぐそこよ？(笑)」
目元にある俺の手の上に自分の両手を被せて、離さない。
そんなことされたら置いていけないよ〜(2回目)
佐「じゃあ佐久間さんの手が届くところまで、Aちゃんにもうちょっと歩いてきてもらってもいい？」
翔太「(コクッ)」
そっか。翔太にとっては、まだ慣れない人に近づかれることよりも、安心する人が離れるほうが嫌だったんだね？
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作者名：シルク | 作成日時：2023年9月23日 22時
