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向井side
みんなそれぞれ忙しいから、とりあえずその日の井戸端会議は自然と解散したけど。
美桜「いっつも不安そうな顔しかさせてないから…単純に翔太くんの笑顔が見たいよね」
A「…滑らない話でも考えてみます？」
美桜「いいよ？」
素のさくら組のからみを見られた気がして、ちょっと得した気分になる。いやいや、お前誰や！？って感じやけど。
そんなことを思いながら作業に戻ろうとしたとき、
美桜「ねえ向井くんそういうの得意だよね？」
向「へっ！？」
A「教えてもらおうかな。あ、一発芸でもいいよ」
向「それなら動脈ピースとか、もみあげ手裏剣とか！…っていうのは冗談ですけど。でも、しょったくんの誕生日、ぜひ一緒にお祝いしたいですよね？」
さくら組は病室に入ることはできるけど、入り口付近で話しかけるだけで、まだしょったくんに近づくことができない。
しかも長時間話しかけて、しょったくんがさくら組に苦手意識を抱いてしまっては元も子もないのが、この問題をさらに難しくしている。
んー。どうにかお祝いしたいけど…
・・・あ。
ちょっと待って。
向「阿部ちゃーん！しょったくんってひらがな読めますよね！？」
阿「うん。書くのはまだ練習中だけど、読むほうはラウと俺が去年くらいからコツコツ教えてて結構読めるよ〜」
備品の整理をしながら返した阿部ちゃんが、俺の考えを察したのかパッと振り返った。
阿「康二……！そっか！！」
向「さくら組がしょったくんに手紙書くのはどうですか？」
たくさん話すこともできないし、そしてなかなか近くで気持ちを伝えることが許されない。
だけど、手紙なら、さくら組が思う存分、しょったくんへの想いを綴れるし、しょったくんの精神的負担も少ないし、ついでにお勉強にもなる！！
阿「康二、お前天才だよ！」
美桜「名案ですね！」
A「ありがとう！」
よっしゃ。お誕生日、ますます楽しみになってきたわ。
fin
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作者名：シルク | 作成日時：2023年9月23日 22時
