ぬくもりにつつまれて (ページ35)

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③ ページ35

Aside

話し合いを重ね、とりあえず回診時に私が翔太くんの部屋に入ってみることになった。

宮「翔太ーおはよう」

阿「おはよう」

そう言いながら部屋に入っていく二人。
いつも通り二人には回診をしてもらって、私は岩本先生と一緒に部屋の外で待機。

ドアの向こうからかすかに会話が聞こえてくる。

翔太「あのね、今日いい夢みた。お部屋の中がぜーんぶ青色になっちゃう夢！」

宮「おお、それはロマンチックだね」

阿「え、ロマンチックなの！？」

翔太「きゃはっ、ろまんちっく、ふふっ、」

・・・え、いつもこういう雰囲気なのかな。何と言うか、すっごく微笑ましい朝なんですけど。

岩「翔太めっちゃツボってる。なんか翔太と舘さんって独特の二人の世界あるよな(笑)」

隣で岩本先生も苦笑い。
でもご機嫌も良いなら、新たな一歩のコンディションとしてはばっちりだね。

宮「そうだ、翔太に紹介したい看護師さんがいるんだよね」

阿「そう！Aちゃんと美桜ちゃんっていうんだけど。今日はAちゃんが来てくれたの。」

翔太「え？今から？」

阿「俺らや照、康二たちも、みんな仲良しなんだ。だからね、翔太にも仲良しになってほしいな！って思って。」

翔太「みんな、仲よし、なの？」

宮「そうだよ。でも先生たち、翔太が緊張しちゃうのちゃんとわかってるから、今日はお部屋に入ってもらうだけ。どう？」

翔太くんに説明する会話が聞こえてくる。
そして少しの沈黙ののち、

翔太「…わかった」

と翔太くんの声が聞こえて。阿部さんが歩いてくる音が聞こえて、ドアが開けられた。

阿「…おまたせ」

小さく阿部さんに手招きされて、一歩だけ、病室へ足を踏み入れた。