ぬくもりにつつまれて (ページ32)

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② ページ32

Aside

岩「どう？引き受けてくれる？」

一通り説明を終えた先生たちにじっと見つめられる。

A「はい」
美桜「ぜひやらせてください」

私たちの返答を聞いた先生たちは、ほっとしたように笑う。

すると、隣にいた美桜が背筋を伸ばし、おもむろに口を開いた。

美桜「こうして翔太くんがトレーニングを始められるのは、8人がいるからだと思います。」

岩「…え？」

美桜「翔太くんと信頼関係を築いてきた専属の方たち。少人数かもしれないけれど、その8人は、途中で翔太くんが辛くなっても確実に帰れる場所になると思うんです。」

ああ…、やっぱりいい子だね、美桜。

美桜の言わんとすることがなんとなくわかって、思わず大きくうなずいた。

美桜「難しい役割ということは承知です。でも8人が必死に守ってきた翔太くんです。私、精一杯頑張ります。……そうだよね、A？」

美桜がこちらを見てにこりと笑った。

A「そうだね。……専属として翔太くんについてきた8人の努力を、無駄にしないためにも。是非お力添えさせてください。」

美桜と二人で頭を下げる。

深「…すっげぇ」

佐「かっこよすぎるわ、うちのエース」

宮「……翔太の明るい未来が見えた気がする。」

岩「俺も見えた。…2人に頼んだのは間違いじゃなかった」

……翔太くんのため、そして8人のために。全力を尽くします。

fin