ぬくもりにつつまれて (ページ4)

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② ページ4

岩本side

翔太「ねえ、今日はね、お部屋で折り紙してたの」

岩「へえ～何折った？」

翔太「じゃーん！ゆきだるま！」

カウンセリングルームでにこにこ話す翔太。

その手には、白い折り紙でつくられた雪だるま。首には青いマジックでマフラーが書いてある。

雪、と言えば。

翔太との出会い…。

あれは2年前の雪の降る日のことだった。

その日たまたま休みだった俺は、”あー、今日はさすがに走りにいけねーな”なんて思いながらハラハラと落ちる雪を眺めていた。

岩「…うわー、切らしてる」

プロテインを飲もうとしたんだけど、最近仕事が忙しすぎたからかな。

普段はプロテイン切らすとかありえないのに注文するのを忘れてたらしい。

とりあえず箱で注文するとして、それが届くまでの分を買いに行こうかな。

雪っていっても、積もるほどは降っていなかったし、
本格的に降り出す前に歩いて数分のスーパーまで行くことにした。

岩「さすがに冷えてんな」

しっかり防寒してきてよかった。

寒いけど空気は澄んでいて意外と気持ちいいかも、なんてのんきに考えながら歩いていると。

空き地に、なんか小さい靴みたいなのが見える。

気になって何気なく近づいてみると…

岩「はっ…！？」

それは、倒れている男の子だった。

え、薄着すぎない？

岩「ちょっ、ねえ、聞こえる！？聞こえたら握って？」

かすかに指が動いたような。でも呼吸は浅くてゆっくり。

…やばいやつだ、これ。

周りに大人はいない。

岩「…くそ、親は何してんだよ、、とりあえず救急車」

まっしろな顔した男の子を、とりあえず自分の着ていたダウンにくるんで救急車を待つ。

ここからならおそらく俺の勤務先に運ばれるだろう。

救急隊の方にも勤務先だということを伝え、救急車に一緒に乗った。

……どうか、助かって。