�� ページ30
岩本side
佐久間からベッドに戻ったあとの翔太の様子を聞き、
驚きと嬉しさととまどいと……
たぶん各々に色んな感情が湧き上がっている。
宮「……確かに2週間くらい前だっけ？ナースステーションに自分から水もらいに行ったんだよね？ほら、阿部のだっこで来たってやつ。」
佐「あー、それね！康二から聞いたときびっくりしたもん」
岩「……翔太にも少しずつ変化が現れてきているのかもな。」
思い返すのは2年前の翔太。
親との愛着形成がなく、誰に対してもとにかく不信感しかなかった彼に、
”まずは特定の人間だけでもいい。人を信じることを知ってほしい”
そんな思いで、俺が中心となって専属スタッフを決めたり、入院環境を徹底したりした。とにかくまだ小さくてもろくて儚すぎた翔太に安全基地を作ってあげたくて必死だった。
専属として俺らは必死に2年かけて信頼関係を築いてきて、その結果、俺らに対しては基本的に心を許してくれている…と思う。
岩「さっき佐久間が戻ってくる前にも話してたんだけど、そろそろ専属じゃないスタッフとも関わりは増やしていくべきだと思ってて。近々ミーティング設けようと思う」
佐「具体的にどうするかとか、照の中でイメージある？」
岩「まずは話したり触れたりせずに、回診とか検査についてもらって。あとは普段さりげなくコミュニケーションとって関係性の基礎を築くっていうか。」
宮「そこから、徐々に身体に接触があるやつ……例えば採血とか、検査や処置が平気になったらいいよね」
佐「今回みたいにならないように、いずれは一般の方に慣れることも必要だよね？」
岩「うん。たぶん容姿がトリガーになってるから難しいけど…スタッフがついた状態で院内や中庭の散歩とか。」
つまり、、
まずは院内からってことで、今の専属スタッフを組んでるシステムを徐々に解体して、色んなスタッフが大丈夫になることが第一歩。
そして、次は外の世界にも慣れさせていく。
ってところかな。
もちろんふっかや佐久間、舘さんと相談しながら決めるけど…俺の中で有望なスタッフは決まってたりするんだよね。まあそれはまた今度。
fin
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作者名：シルク | 作成日時：2023年9月23日 22時
