ぬくもりにつつまれて (ページ29)

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Aside

岩「発見と対応が迅速だったから大きなダメージにはならないと思うけど、ここ数日は不安定になる可能性大きいから、ちょっと注意だね」

宮「了解」

岩「いい機会だから言うけど、そろそろ人に慣れていくっていう意味で、翔太と関わるスタッフ増やしたり、病棟内を散歩がてら歩いたりするトレーニングは始めようと思ってたんだよね」

一同が頷く。
人に慣れていくことは翔太くんにとって、普通の人よりも難しいことだし、怖いことだろう。

でも、必ず将来の翔太くんのためになる。翔太くんが思うほど、怖い人ばかりではないんだよって、教えてあげることが必要だ。

3人で話していると佐久間さんが戻ってきた。

佐「今のところ落ち着いてて寝た。目覚めるころにもう一回覗くね」

A「よかった、とりあえず眠れたんですね。急に呼び出しちゃってすみませんでした。」

佐「いやー今回はまじでAちゃんのおかげ。ありがとうね。」

岩「ほんとほんと」

佐「つか聞いてほしい！あの翔太がさ、」

佐久間さんが話し出したのは、予想外の内容だった。

佐「翔太がAちゃんのことを、"助けてくれた"って認識できたんだよ？」

宮「うそだ、、」

A「えっ、専属じゃない私をですか？」

ただでさえ知らない大人２人に怯えてパニックになっているところに、私も声をかけたから、そうするより他になかったとはいえ、かわいそうだったなと思っていた。

佐久間さんが来てくれたからよかったけれど、あれでもし誰も専属が捕まらない状況だったらと考えると、私にあの場と翔太くんを対処しきれる自信はない。

岩本先生と宮館先生と話しながら、頭の片隅で、咄嗟の行動だったけど、あれでよかったのかなと自分の中で考えていた。

……だから、翔太くんが助けてくれたと感じてくれたのなら、ちょっと救われる気がした。