ぬくもりにつつまれて (ページ28)

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Aside

受け持ちの子の検査から帰り、その子を病室に送り届けた。
とりあえず自分のお昼食べなきゃな、なんてのんきに考えながら病室を出ると、

「いやだあっ！！はあ、はあ、ぎゃーっ」

向こうから聞こえる子どもの叫ぶ声。

あれは角部屋？…渡辺翔太くんか。

走ると、見えてきたのは面会に来ていた他の子のご両親が翔太くんをなだめている光景。

…あ。これはまずいやつ

あくまで推測でしかないんだけど、状況がのみこめた。

急いで彼らと翔太くんを離し、本人を落ち着かせる。

翔太くん専属で日勤の看護師…
今ナースステーションにいるのはおそらく…と我ながら冷静に判断して、佐久間さんを呼んだ。

翔太くんを無事佐久間さんに預けて、食堂に行く予定を変更してナースステーションに逆戻りする。

前からちょうど宮舘先生が歩いてきたからつかまえて。
あと、岩本先生にも来てもらって臨時の報告会。

A「…というわけで。とりあえず今は佐久間さんにお任せしています。佐久間さんが来る頃には呼吸もパニックも落ち着いたので身体のほうは問題ないかと」

宮「そっか。ありがとう。」

A「あ、面会にいらしていた〇〇ちゃんのご両親には佐久間さんに翔太くんを受け渡したあと、状況聴いて、軽く翔太くんのことも説明しておきました。」

優しい方たちなんだけど、フラッシュバック誘発しちゃったんだね…。

…誰も悪くない。強いて言えばちょっとタイミングが悪かったというだけ。