フラッシュバック�� ページ25
翔太side
今日は朝からお天気でうれしい。ここ何日か雨が降っててあたま痛かったの。
舘せんせが教えてくれたんだけど、
「ていきあつ」ってやつに、しょうたは弱いんだって。
お昼ごはんもさっき食べ終わって、ベッドの上で、音が出る本で遊ぶ。
ボタンを押すと、お歌が流れるんだよ？
しょうたもそれに合わせてうたって一人で遊んでいると、
翔太「ああ…！」
一緒に寝てるシナモンが落ちちゃった。
おきにいりのやつ！って思って慌ててベットから降りて、その子を拾い上げ、じいっとその顔を見つめる。
翔太「…お歌きいてた？どうだった？」
聞いても、なんにも返事はしない。ただいつもの顔でこっちを見ているそいつ。
自分でもなぜなのかわからないけれど、突然孤独を感じて、複雑な感情をそのぬいぐるみをぎゅっと強く抱きしめて紛らわせた。
…なーすこーるっていうボタン押してもいいんだけど、誰が出るかわかんないし。さっき康二がご飯さげにきたばかりだからすぐそこにいるかな。
そう思ってそうっとドアを開けて廊下に出たら、ちょうど別のお部屋から、男の人と女の人が出てきたところだった。
翔太「…えっ？」
ぜったいに同じ人じゃないってわかってる。わかってるんだけど、
男の人のもってるつやつやした黒い長財布や
女の人のはいてたかかとの高い靴と、長くてくるっと巻かれた髪の毛が…
”お前邪魔なんだよ” ”あっち行ってて、面倒くさい子ね”
翔太「はあ、はあ、ああ、くるし…」
息がうまく吸えなくて、その場でしゃがみこむ。
女「あ、大丈夫！？」
男「えっ、看護師さん呼んだほうがいいよね！？」
女「名前なんていうの？」
二人が近づいてきて、背中をさすられる。
翔太「いやだあっ！！はあ、はあ、」
むりむりむりむりこわいこわい・・・・くるしい
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作者名：シルク | 作成日時：2023年9月23日 22時
