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向井side
向「マグネットですか？あー、えっと、そこの引き出しです！！俺取ります！」
何をしてるかって？
この10月から部署移動で小児科に新しく来たAさんにナースステーションの備品の場所を聞かれたから答えてました。
A「ありがとう！業務うんぬんよりも備品の位置に慣れないんだよねぇ」
俺が言うのもアレだけど、通称さくら組はめちゃめちゃ優秀なナースやと思う。
なにせ、主任のさっくん、頭脳明晰な阿部ちゃんをはじめとしたナース勢は勿論、ふっか先生や舘先生も信頼してるのが伝わるねんな。
指示は明確だし、先を見越す力が半端ないし、親しみやすい雰囲気だし。
めめも俺も即憧れの看護師像になったもんね。
看護師としては後輩やし恐れ多いんやけどね、備品くらいならいつでも俺がとります！って思うわ。
そんなことを考えながらパソコンに向かい、カタカタとデスクワークをこなす夜。
阿「お疲れ様でーす、翔太お水飲みに来ましたー」
振り返ると、ちょっと緊張気味だけど比較的落ち着いている様子のしょったくん。
今日はナースステーション来れたんや！
向「しょったくんお水ね、ちょっと待っててや〜」
しょったくんの場合は精神的な負担を考慮して担当するスタッフが絞られているから、ここは担当させてもらっている俺がお水を渡しに行く。
他のスタッフはにこにこ見守るけど、無理にこちらからしょったくんに話しかけたりはしない。
Aさんもにこっとしょったくんに笑いかけて、作業に戻った。
ナースステーションが怖いところと認識されないように、もっと言えば、人は怖くないってことに慣れさせるために、今はまだそういう段階なわけで。
もう少し慣れたら、他のスタッフとも関わり増やしていくって照兄が言ってた。
向「はい、しょったくんどうぞ」
翔太「ありがと」
ゆっくり時間をかけてお水を飲んだしょったくん。
翔太「ごちそーさま」
向「はいよ〜。ゆっくり寝てな〜」
阿部ちゃんの腕の中で小さくあくびをしたしょったくん。
阿「戻ろっか」
翔太「うん。」
なんや、このかわいい２人。
A「向井くん、この前言ってた○○ちゃんの副作用なんだけどね、」
向「はい！」
夜勤だと、日勤に比べて空いた時間があるから、こうやって俺が不安なところを教えてくれる。
まだまだ遠い目標やけど、いつかAさんみたいな看護師になれるかな…？
fin
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作者名：シルク | 作成日時：2023年9月23日 22時
