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目黒side
こんなに苦しんでる翔太くんに更に苦しい処置をするのが耐えられなかった。拒否権もなく、大人に抑制されてチューブを入れられる翔太くんを見る自信がなかった。
気づいたときには思わず舘先生の腕をつかんでいた自分がいて。
冷静に佐久間くんがなだめてくれて、二人の主治医の顔を見てはっとした。
それは、俺の何倍も苦しそうな、だけど翔太くんを助けるって覚悟を決めた表情で。
…自分が間違っていたことを瞬時に悟った。
今もまだ苦しそうな翔太くんをスタッフが取り囲む。
深「翔太聞こえる？呼吸助けてくれるチューブ入れようね」
宮「お口開けれるかな？」
少しだけ口を開けてくれた翔太くん。
宮「ありがとう」
気休め程度かもしれないけど麻酔スプレーを吹きかける。
深「ちょっと苦しいけどがんばろうな。危ないから抑えるけど許してね」
弱まった呼吸の中で、空ろな表情の翔太くんは、一瞬首を横に振るけど。
みんなでアイコンタクトをとり、佐久間くんが上半身、ふっか先生が頭、俺は足を固定した。
宮「よし、入れるからね〜」
翔太「ん、、あ、んん、、んんー、、」
弱まった意識の中、拒否反応で何度も身体をよじろうとする翔太くん。でも、がっちり固定しているからそれは叶わない。苦しさを逃すことができず、翔太くんの頬には生理的な涙がこぼれた。
佐「もうちょっとで終わるよ〜」
深「頑張れ」
目「上手だよ」
翔太「んん、んぁ、、んん、」
黙って太いチューブを進めている舘先生が一番つらいと思う。
だから、俺らは必死に固定して翔太くんを励まし続ける。それが唯一、自分にできることだった。
宮「…、入った。」
深「鎮静剤落としちゃって！」
…処置を終え、できるだけ翔太くんの目に入らないところでサポートしてくれていた看護師さんがすぐに鎮静剤を入れてくれる。
翔太くんは、あんなにもがいていたのが嘘のように穏やかに眠った。
宮「苦しかったね…頑張ってくれてありがとう」
舘先生が周りに聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声でそう言っているのが聞こえてしまって。
ふとそちらを見ると、舘先生はまだ頬に残っている涙の痕をそうっと優しくなでていた。
佐「……なーんでお前が泣いてんのよ」
目「っ、、すみません」
佐「にゃは、めめもまた強くなるね？」
翔太くんの頑張りと、それを支えている先輩たちの温かさと強さを感じて。
自分ももっと力をつけて、翔太くんを守りたい。…そう思った。
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作者名：シルク | 作成日時：2023年9月23日 22時
