不安定なこころ�� ページ11
翔太side
んはっあ、ああ、くるしい、たすけて、はあ、
”…うた、しょうた〜、翔太？”
ん、誰の声？ 早く助けて、
”おーい、大丈夫？”
腕をゆすられてパッと目を覚ますと、目の前には心配そうな顔のあべちゃん。
翔太「あべちゃ…」
阿「うん、俺だよ。わかる？」
キョロキョロとあたりを見渡す。女の人連れたパパが来てるの。しょーた、怒られちゃう。謝らないと、、
阿「…翔太、どうした？」
翔太「早くごめんなさいするの、、パパと、女の人、」
阿「ん〜？だーれもいないよ？大丈夫。」
あべちゃん違うの、しょうた悪い子だから早くごめんなさいしないと…っ、はあ、はあ、はあ
急にまた胸が苦しくなってくる。
あれ、息ってどうやってするの？
すると口元に紙袋が当てられた。
阿「過呼吸出ちゃったかな、俺に合わせてゆっくり呼吸しよう、」
翔太「ん、はあ…」
阿「上手上手」
背中をゆっくりさすってくれて、かこきゅう？ってやつは落ち着いたけど、
翔太「ねえ。パパ来てない？」
阿「うん、来てないよ？きっと夢見たんじゃないかな」
…ゆめ、、か。
翔太「そっか…」
夢とわかった途端、ほっとすると同時に、怖かった感覚を思い出して、辛くなってきた。
ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ
岩「翔太〜、怖い夢見ちゃったか〜？」
顔を上げると入ってきたのは照だった。いつの間にかあべちゃんが呼んでくれたらしい。
照がベッドに腰かけてくれて、思わずそのがっしりした身体にぎゅっとしがみついた。
翔太「…おうちにいたころの、ゆめみた…」
阿「そっかそっか、怖かったね」
翔太「じゃまって、言われて…やだった」
岩「うんうん、そんなこと言われたら嫌だよなぁ？」
あべちゃんと照にたくさん撫でてくれて、二人のぬくもりが、やっと自分を元の世界に引き戻してくれた気がした。
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作者名：シルク | 作成日時：2023年9月23日 22時
