�� ページ46
Aside
お土産を両手でもって、ずっと眺めている翔太くん。
A「そういえば、応援してくれたおかげで発表うまくいったよー」
そう言うと、ぱっと顔をこちらに向けた。
翔太「ほんと！？」
A「ありがとね」
翔太「ん。」
またにこっとして頷いて、
ベッドの中で伸びをしてあくびをかみ殺す。
本人は無意識だろうけど、たまに胸に手をやっているから、あんまり体調はよくないのだろう。
A「ゆっくりしてたところお邪魔してごめんね。お昼寝するかな」
翔太「んーん、大丈夫…」
そう言いながらも、
翔太「ふぅ……」
痛みを逃すみたいに小さく息を吐いた。
熱はなかったけれど、寝させる方がよさそうだから、布団の上に出しっぱなしになっていた絵本を戻す。
A「それも、ここに置いておくね」
翔太「ん…。」
ずっと大事そうにもってくれていたお土産を受け取って、サイドテーブルに乗せる。
翔太くんは深くベッドに沈んで、ぼうっと天井を眺めた。
翔太「………ふぅ」
A「痛い？」
翔太「ちょっとだけ。……ここ。」
やっぱり胸痛がするみたいで、自分で心臓のあたりをさする。
A「先生呼ぼうか？」
翔太「いい、寝る…」
そういいながら、既に翔太くんは目を瞑っている。
たしかにモニターの数値自体は、ドクターを呼ぶほどでもなさそうだったから、
言葉通り寝させてあげることに。
翔太「……ふぅ」
そのまま寝るかなと思ったけど、少し時間が経てば眉間に皺をよせてまた短く息を吐いた。
痛み自体は弱いものだろうけど、辛いことに変わりない。
A「痛いねぇ」
翔太「ぅん…、いたぃ……」
さっきさすっていた場所のあたりに、ぬくもりが伝わるように手のひらを乗せる。
それに気づいた翔太くんはうっすら目を開けたけど、何も言わずにまた目を閉じた。
"手当て"とはよく言ったもので、手を当てると痛みが和らぐことが科学的にもわかっている。
そしてそれは、この仕事をしていれば何度も経験したことだった。
何回か痛みを逃して息を吐いていたけれど…
翔太「…zzz」
少し経つと、こっちに顔を向けたまま、穏やかに寝息をたてはじめた。
あどけない寝顔。
念の為、枕元のわかりやすいところにナースコールを置いて、立ち上がる。
A「早く元気になりますように…」
そう声をかけて、静かに部屋をあとにした。
Fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 905人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルク(プロフ) - えなさん» こちらこそいつもありがとうございます^_^ またリクエストくださって嬉しいです。リクエスト承知いたしました！ (3月8日 12時) (
レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - いつもお話楽しみに待っています！リクエストなのですが、主人公が同僚たちとうまくいってなかったり仕事もうまくいかなかったりして元気がない日が続いてそれにしょっぴーが気づいて癒してあげる的なお話が見たいです！ (3月7日 17時) (レス) id: 2ee6bfb48d (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - りーるさん» ご感想ありがとうございます！練られているだなんて嬉しいです…！なんだかいつも長くなってしまって、冗長かな…と悩んでいたので救われました🥲 こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします！ (3月7日 11時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
りーる - リクエスト書いて下さりありがとうございました！どのお話も内容が練られていて凄く面白いです！これからも作者様のペースで頑張ってください！楽しみにしています！ (3月6日 22時) (レス) id: 15110049bf (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - ぷさん» ご感想書いて頂いてありがとうございます！沁みるお言葉たくさん…嬉しいです🥹私も書いててとても楽しかったです。こちらこそリクエストありがとうございました！ (3月3日 10時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シルク | 作成日時：2024年2月22日 21時
