�� ページ36
深澤side
深「えっ、俺を？」
Aちゃんが珍しく慌てた様子で連絡してきた。
なにやら、翔太がAちゃんを拒否して俺のことを呼んでいるらしい。
医局でコーヒーを飲んでいたところだったけど電話を繋いだまま翔太の部屋へ足早に向かう。
呼吸とかは異常ないらしいけど…
朝起きてすぐ自分から医者を呼ぶなんてよっぽど体調が悪いのか…
今日は翔太はCT検査を控えているけど予定通りできるかな。
病室に続く廊下へ出ると８０８の前にAちゃんが立っているのが見えた。
深「え、部屋も入らせてもらえないの？」
A「はい…」
深「おっけ、他の子のところも行かなきゃでしょ？とりあえず翔太は俺に任せて」
A「ありがとうございます…」
いつもの覇気がなくてショック受けてる顔をしてたから、ぽんとその肩をたたいてから部屋に入った。
部屋に入るとこんもりと丸く膨れた布団。
深「しょうたぁ？ふっか来たよ？体調悪い？」
声をかけると、ちらっと布団から顔の上半分だけのぞかせた翔太。
目にかかった前髪をよけるようにさりげなく触ったけれど熱はなさそう。
翔太「……」
深「…どーした？」
数秒間沈黙が続く。
そして口を開いた翔太は消え入りそうな声で一言。
翔太「…ふっかおこらない？」
深「え？ うんうん、怒んない」
まったく意図がくみ取れないんだけど、とにもかくにも何があったのか早く言ってほしかったから怒らないと約束する。
翔太「…あのさ、、その、、昨日の夜、お水飲んで、、そのぉ、、、」
小さい声でもぞもぞ言っている翔太の言葉を断片的にだけど聞き取って…
深「あっ、」
俺の勘が動いた。
深「…間に合わなかった？」
そう言えば、こくりと頷いた。
とりあえず体調不良ではないことにほっとする俺。
ただ、このタイミングの失禁は検査の不安が原因の可能性が高いから…今日は普段より繊細さんになってるなって考える。
失禁自体は医療現場では日常茶飯事…っていったら大袈裟だけど、俺らはなんとも思わない。
でも、ある程度年齢のいった子は恥ずかしさがあるのもわかるから、こっちは気にしてないよって感じで声をかけた。
深「おけおけ。お着替えしたら済むことだからね」
翔太「……ごめ、」
深「んーん、先生たち気にしないよ？」
翔太「もう赤ちゃんじゃないのに…」
暗い声と表情で俯く。
…んー、思ったよりショック受けちゃってるな。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 905人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルク(プロフ) - えなさん» こちらこそいつもありがとうございます^_^ またリクエストくださって嬉しいです。リクエスト承知いたしました！ (3月8日 12時) (
レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - いつもお話楽しみに待っています！リクエストなのですが、主人公が同僚たちとうまくいってなかったり仕事もうまくいかなかったりして元気がない日が続いてそれにしょっぴーが気づいて癒してあげる的なお話が見たいです！ (3月7日 17時) (レス) id: 2ee6bfb48d (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - りーるさん» ご感想ありがとうございます！練られているだなんて嬉しいです…！なんだかいつも長くなってしまって、冗長かな…と悩んでいたので救われました🥲 こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします！ (3月7日 11時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
りーる - リクエスト書いて下さりありがとうございました！どのお話も内容が練られていて凄く面白いです！これからも作者様のペースで頑張ってください！楽しみにしています！ (3月6日 22時) (レス) id: 15110049bf (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - ぷさん» ご感想書いて頂いてありがとうございます！沁みるお言葉たくさん…嬉しいです🥹私も書いててとても楽しかったです。こちらこそリクエストありがとうございました！ (3月3日 10時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シルク | 作成日時：2024年2月22日 21時
