�� ページ20
翔太side
朝のもしもしのとき、舘先生に１１時くらいに検査のお迎えが来るって言われた。
起きてから、検査の時間までが絶妙に長い。
…検査はしたくないけど早く終わってほしいな。
時計をちらちら見ながらこの前のブロックの続きに集中しようと頑張っていた。
ｺﾝｺﾝｺﾝ
ずっと入院していると、ノックの強さや回数で誰かわかるようになってくる。
この音はきっと…
A「時間になったから検査行こうか」
やっぱりAちゃん。
行きたくないけれど、やっぱり行かないと終わらないよねって思って、今日も昨日みたいに頑張ってベッドから出る。
久しぶりのAちゃんだし、本当はもっと楽しいお話がしたいけれど、検査の前だからそんな気分には到底なれない。
翔太「ハァ…」
ベッドから降りてサンダルをはいて、思わずため息をこぼす。
A「緊張する？」
翔太「…だって今日の検査痛いもん」
A「そうだよね…、でもこの前先生たちが、翔太くん頑張ってるから偉いよねって話してるの聞いたよ」
翔太「そーなんだ…」
手をつないで廊下に出て検査室まで歩き始める。
A「昨日ね、家の本棚の掃除したらね、昔の本とかノートがたくさん出てきてね」
翔太「うん」
A「整理するのが大変だったの。翔太くんはさ、お部屋すごくきれいに使ってるでしょ。私も見習わなくちゃね」
検査とは関係ないお喋りをしてくれる。
うんうん、って聞いてるだけだけど、ちょっとだけ検査への不安が紛れるからありがとうって思う。
A「でね、片づけの途中で思い出に浸っちゃうんだよね。美桜との写真とか出てきちゃって全然進まなくてさぁ…」
「あー！Aちゃん！！」
Aちゃんが話している途中で聞き覚えのある声がして、康二と手をつないだいろはちゃんがよちよちと前から歩いてきていた。
いろは「いまから、おひるごはん、いっしょ、しよぉ？」
小さくてかわいいなって思うけど、心のどこかで”またいろはちゃんだ”ってもやもやする。
でもAちゃんじゃないと安心できないなら仕方ないし、またいろはちゃんのところ行くのかなって少し不安になって。
Aちゃんをこっそり見上げると、
A「今からのお昼ご飯は行けないんだ」
断ってくれて、安心したのもつかの間。
いろは「うぅ〜、やぁだ、、」
いろはちゃんがまた泣きだした。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 907人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルク(プロフ) - えなさん» こちらこそいつもありがとうございます^_^ またリクエストくださって嬉しいです。リクエスト承知いたしました！ (3月8日 12時) (
レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - いつもお話楽しみに待っています！リクエストなのですが、主人公が同僚たちとうまくいってなかったり仕事もうまくいかなかったりして元気がない日が続いてそれにしょっぴーが気づいて癒してあげる的なお話が見たいです！ (3月7日 17時) (レス) id: 2ee6bfb48d (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - りーるさん» ご感想ありがとうございます！練られているだなんて嬉しいです…！なんだかいつも長くなってしまって、冗長かな…と悩んでいたので救われました🥲 こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします！ (3月7日 11時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
りーる - リクエスト書いて下さりありがとうございました！どのお話も内容が練られていて凄く面白いです！これからも作者様のペースで頑張ってください！楽しみにしています！ (3月6日 22時) (レス) id: 15110049bf (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - ぷさん» ご感想書いて頂いてありがとうございます！沁みるお言葉たくさん…嬉しいです🥹私も書いててとても楽しかったです。こちらこそリクエストありがとうございました！ (3月3日 10時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シルク | 作成日時：2024年2月22日 21時
