�� ページ37
岩本side
患者さんのカウンセリングを一件終えて、記録をパソコンにうちこんでいると、仕事用の携帯が震える。
相手はAちゃんで、翔太が今すぐにカウンセリングルームに行きたいとせがんでいることを伝えられた。
次のカウンセリングまでは時間もあったけど記録は完成させたかったから、15分後なら大丈夫と伝えて電話を切る。
そして…
「失礼しまーす」
美桜ちゃんに抱かれた翔太が現れた。
手短に翔太の様子と、微熱があるから早めに帰すよう俺に伝えたさくら組は、翔太を俺に預けてカウンセリングルームをあとにした。
その間、ずっと黙っていた翔太だったけれど…
岩「翔太〜、来てくれたの？」
翔太「…ん。来たかったから」
2人きりになって、俺が声をかけると普通にお話してくれた。
岩「そっか。いつでも歓迎するよ〜」
うん、と頷くその表情は、部屋に入ってきた時に比べてほんの少し明るさを取り戻したように見えた。
翔太は部屋の中をくるりと見渡す。
ここにはおもちゃも沢山置いてあるから、子どもたちは遊びながら俺と話すことも多いんだよね。
翔太「…ぬりえしようかな」
岩「お、いいね。」
翔太をローテブルの前に座らせて、ぬりえファイルを持ってくる。
ファイルの中にはいくつか絵が入っていて、ぬりえが選べるようになっているんだ。
岩「今日はどれにしよっか」
翔太「ん〜」
ペラペラとファイルをめくっていた翔太の手が止まる。
岩「これにする？」
翔太「…うん」
翔太が選んだのは、意外にもスイーツのぬりえ。ケーキやマカロンやプリンのイラストがついている。
普段はクルマとか恐竜とかを選ぶことも多いけれど、今日はなぜかかわいらしい絵に惹かれたらしい。
色鉛筆やクレヨンを出すと、さっそく色をつけはじめる。
翔太「ねぇ、マカロンって食べたことないんだけどさ、何色があるの？」
岩「そうだな〜、マカロンは結構どんな色でもあるイメージだよ」
翔太「ふーん、じゃあ黄緑とオレンジと…」
岩「おいしそ〜」
翔太「ケーキは…、チョコ味ってことにしよ」
岩「うわ、最高」
できあがったのはカラフルでおいしそうな作品。
完成したばかりのそれをまじまじと眺めていた翔太がぽつりとつぶやいた。
翔太「…スイーツ、食べたいなぁ」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 832人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルク(プロフ) - 蒼音さん» ご感想書いていただいてありがとうございます！幸せだなんて、そう言って頂ける私のほうが幸せです^_^ 私もリクエスト頂いて書くのは楽しくて新鮮なので、また思いついたら教えてくださいね♪ (2月21日 14時) (
レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
蒼音(プロフ) - こんばんは！リクエストしたお話書いていただき、ありがとうございました！甘いものを一緒に選ぶ2人、とても可愛いんだろうなぁと想像できます！大好きな2人のお話が読めて幸せです！リクエスト募集していれば、また思いついた際、リクエストしてもよろしいでしょうか？ (2月20日 21時) (レス) id: d6288aee15 (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - りーるさん» お返事ありがとうございます！了解いたしました^_^ (2月16日 21時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
りーる - シルクさん» そうです！💙くんです！初期の頃みたいに距離出来ちゃってみたいなイメージでした！伝わりづらくてすみません…よろしくお願いします！ (2月16日 20時) (レス) id: 15110049bf (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - りーるさん» 嫌われちゃったかもと落ち込むのは、主人公ではなく、💙くんで間違いないでしょうか？？ (2月15日 23時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シルク | 作成日時：2024年2月3日 20時
