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■僕らの歩幅 ページ5

(1話公開)

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「大毅〜、薬持った?今日は病院の日やから、
お昼食べずに早退するんやで?
病院の帰りは俺が迎えに行くから、」

まるで小さな子に伝えるように、
次から次へと今日の予定を並べていく父さん。


月曜の朝、我が家の見慣れた光景だ。


もちろん心配なのは分かる。

しかし、相手はこう見えて高校3年生。



「わーったから!いってきます!」

面倒くさそうにそう返すのも無理ないやろう。


そんな大毅に、父さんがしまった、と
顔を曇らせるのはいつものこと。

ゆっくりと靴を履く大毅の背を、
後ろからじっと見つめている。


反抗期、って言うんかな?


父さんの過保護は今に始まった事ではないけど
最近の大毅は、父さんに冷たくて。

この前は、手を貸しすぎて
「やめろや」って怒られてた、父さんが。


まぁ、それ以来、どれだけ時間がかかっても
見守るだけになったし、
そこは父さんも成長してるんかもしれん。


靴を履き終えた大毅が外出用の車椅子へと
腰を下ろし振り向くことなく玄関の戸を開けた。


「いってらっしゃい。気をつけてな?」

「…ん。」

大毅によって開けられた扉は、
大きな音を立てることもなく静かに閉められる。



本当なら足早に出ていきたいんやろうけど、
それが出来ないのが大毅の体だ。

____
続きはベッターにて。

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作者名:瑚珀 | 作成日時:2022年7月16日 14時

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