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(ep.2 冒頭公開)

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「けほっ、」

「流星、大丈夫?」


3時間目の途中、右端に座る流星くんから
聞こえてきた咳。

その音は黒板とチョークが擦れる音に
掻き消されるくらい小さかった。

しかし隣に座る智洋くんには
しっかりと聞こえていたようだ。


大丈夫、と肯定を示す流星くんの口から
もう一度、小さく咳がこぼれた。


「流星くん、苦しいかな?」

支援学校に通う子たちは良くも悪くも、
自身の病気に慣れてしまっている子が多い。


だから、これくらいならと思ってる時でも、
実は軽く発作が起きてる、なんてこともある。



特に、マスク越しでは分かりにくい。


流星くんの顔色を伺いながら、教室に置かれた
パルスオキシメーターを手に取った。



「大丈夫、です」



…いや、これは大丈夫ではないな。

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作者名:瑚珀 | 作成日時:2022年7月16日 14時

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