モブ女の末路 (ページ5)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:36,360 hit

3 ページ5

『ってことなんだけどね。少しの間、泊めて？』

「…………いやいやいや、ねぇ待って意味が分からないよ！！！何で僕！？」

『だっていずくんが１番信用できるし』

「うっ、嬉しいけど……」

家を出たのはいいけど、どこも行く宛のない私は考えた結果、とりあえずスマホで電話をした。すぐに出てくれた彼に、今から会えないかと言ったら、彼はすぐにOKを出してくれた

『……いずくん忙しいのにこんなこと頼んでごめんね』

「Aちゃん……」

『やっぱり、どこか探してみるよ。今日は本当にごめん』

「……どこかって行く宛あるの？」

『……』

「ないから僕のところに来たんでしょ？」

『……うん』

図星をつかれて何も言えなくなってしまう
昔から皆の輪にはいることが苦手だった私の唯一の友達がいずくんだった。爆豪くんに苛められても立ち向かう彼も、私のヒーローだった

「いいよ」

『……え』

「僕の家、１部屋空いてるから」

『ほ、本当にいいの？』

「うん！けど家具も何もないよ？それでもいいならだけど……」

『いい、全然いいです！』

思わず気分が上がり、いずくんに抱きついてしまった。あれ？思った以上にムキムキだ

「っっっAちゃん！？僕、かっちゃんに怒られるから！」

『え、どうして？』

「どうしてって、付き合ってるんでしょ？それにかっちゃんと同居してたのって……」

『違うよ』

「え？」

『爆豪くんの恋人は私じゃない。……同居はしてたけどね！』
　

なるべく笑顔で答えたはずだったのに、何故かいずくんは顔をしかめていた。