モブ女の末路 (ページ23)

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「俺たちこっちだから！」

「皆またね～」

「爆豪、速見、仲良くな！！」

あのあと放心状態だった私は、気づけば同窓会(飲み会)はお開きになっており、外にいた。私の隣には爆豪くんがいる

「行くぞ」

『……うん』

「待ってAちゃん！！！」

『！いずくん』

歩きだそうとした時、大声で呼び止められた

「短い間だったけどAちゃんと暮らすの、すごく楽しかったんだ、本当に、本当にありがとう！！！」

『いずくん……私も、楽しかったよ。短い間だっけど、お世話になりました』

「頭下げないでよ！……それとかっちゃん！！！」

「あ？」

いずくんが爆豪くんの前に出て、彼の耳元で何かを囁いてた。私からは聞こえなが、爆豪くんの顔が歪んでいくのを見る限り、あまりいいことでは無さそうだ

いずくん、怒鳴られるんじゃ……
怒鳴り声に備えていると、爆豪くんから出た言葉は、静なものだった

「うっせぇな、言われなくても分かっとるわ」

「……だよね。僕も帰るよ！」

Aちゃん、かっちゃんバイバイ！！！

そう言って走り去るいずくんに、散れクソナード！！！と爆豪くんが叫ぶ

「A！……俺らも帰るぞ」

『……うんっ』

帰るぞ。その言葉が胸に響く

出された爆豪くんの左手に、私の右手を重ねる

初めて、手を握った

『……ふふ』

「んだよ」

『ううん、なにも』

「ちゃんと言えや！」

『……やだ』

「あぁ！？……くそっ」

何気ない会話だけでも、鼓動が高鳴る

やっぱりこの手を手放すことなんて

私にはできなかった

だって、こんなにも彼のことが

大好きだから