モブ女の末路 (ページ16)

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『なん、で』

今日来ないって言ってたのに、どうしているの？
はっとして、いずくんの方を向くと、彼は目を盛大に反らした。あ、これ騙されたのか

「A」

名前を呼ばれて体が震えた。こんな状況でも、名前を読んでもらえることが嬉しいなんて。私もそろそろ末期だな

『ごめん、私帰るから。ちょっと通して……！？』

爆豪くんの横を通り、帰ろうとした。すると、突然、目の前が暗くなった

『ちょ、爆豪くん！？』

「A、悪かった」

私、抱きしめられてる？
え、まって、意味がわからない。何で……

『……どうして、爆豪くんが謝るの』

「……俺が何かしたから、お前出てったんだろが」

爆豪くんの声が微かに震えている

『違うよ爆豪くん。私が、爆豪くんの彼女に邪魔になると思って勝手に出ていったの……荷物置いていったことは謝るよ』

「………………は？」

…………え？

いや、何その顔。まるで意味が分からないとでも言いたそうな。

普通に考えて、付き合ってるカップル+私の生活なんて、おかしいでしょ。私出ていったこと、間違えてはないと思うんだけどな

顔をあげ彼の方を見る。
痩せたのかな、頬が少しかけている気がする。

「……オイ、俺の彼女が何だって？」

『？だから、爆豪くんの今の彼女に迷惑がかかるから、私みたいなモブはもう放っておいていいよ。そのほうが、これからの爆豪くんの将来も安全だよ』

ほら、テレビとかで報道されても大丈夫なように、ね？
爆心地は一途ですよって言えるよ