モブ女の末路 (ページ13)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:36,355 hit

11 ページ13

ある飲み屋の一室
そこには今日、多くの有名ヒーロー達が集まっている

「Aちゃん久しぶりやね！」

「本当にですわ速見さん！」

「うおっ、まじか！」

「速見じゃん！！！」

「今まで何してたんだよ～」

轟くんの後に続いて入った私に、皆が詰めかけてきた。とても懐かしい人たちばかりだ。テレビで見ていると、いつも他人のように感じていたけれども、こうして会ってみると皆あまり変わっていない

『あはは』

私はちゃんと、笑えているだろうか

-----------

「速見、酒いけるんだな」

『……まあ、一応は』

「以外だな」

来てから1時ほどたった。隅の方でちびちびとお酒を飲んでいた私の元に、轟くんが来てからも1時間
だ。何故だか分からないけれども、彼はずっと私とお酒を飲んでいる

いやいやいや、なにこの状況？
そもそも高校の時から話したこともあまりなかったのに、今さら……。
それよりも轟くんみたいな、キラキラした人が私なんかといていいのか？ほら、八百万さんと一緒にいたら？この間、お似合いだってテレビで言われてたよ？

心では思えるが、口に出してそれを言えるほど
私には勇気がない
いや、そもそも勇気ってなに

『轟くん、私なんかより皆の所行きなよ』

やんわり、やんわり言おうと思って口に出たのがこれだ。よし、中々いい感じに言えたぞ

「……いや、いい。お前と今日は飲む」

『……そう』

ダメだ、失敗。

てか轟くん、お酒飲む姿もカッコいいってなに