1.気配 ページ1
ウィンターホリデーが終わり、ようやく休みボケが治ってきた１月の中旬。
いつもどおり問題児たちが多種多様な問題を起こしているが、慣れたように教師が対応する。
全くもって変化のない日々、いや、厳密には毎日違う問題が起こるのだから変化はあるのだが。
それでも、既に5件も起こったオーバーブロットに比べれば赤ちゃんの寝返りほどである変化だった。
そんなこんなはあっても、NRCはなんだかんだ平和な日々であった。
今日もトランプ兵は文句をたれながらも少しはゆるくなった法律のもと生活を送り
獣人たちは弱肉強食とでも言わんばかりに自分より弱そうな生徒を見つけては絡みに行き
人魚たちは何かがあるたびに契約を持ちかけ
砂漠の仲間たちはみんなでどんちゃん騒ぎをしながらも勉学に励み
美しき人々は２月に行われるVDCに向けより一層レッスンをに熱中し
薄暗い照明の中に閉じこもる者たちは無理ですわ〜と愚痴をこぼしながらもなんだかんだ授業に出席をして
誇り高き妖精族は恐れられながらも毎日を順風満帆に過ごす
そして、趣のある、ありすぎる館に住む一人の男児と一匹の魔物はトラブルに巻き込まれながらも必死に生きる
なんの代わりもない日々。
そんなNRCに、戦慄が走った
全身の毛という毛が逆立つような感覚
背中に悪寒が走り、腰が抜けるものもちらほらいる
鏡の間の方から溢れ出るその不気味な気配に
誰もが震えた
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作者名：スズムラアメ | 作成日時：2021年9月14日 19時
