037-雨は止んだ？ ページ38
-
一気に捲し立て上げた私にヒーローは怒ることもなく黙った。＿＿＿居た堪れない空気だ！
「…って言う小娘の一人言です。偉そうにしてごめんなさい」
ペコ、と頭を下げてくるっと右を向いた。
-
少し歩いた所に怪我の手当てをされている勝己の姿が見えたので近くを通る。横目で安否確認するのだったらバレないよ、ね？
「すごいタフネスだ！それにその個性！！プロになったら是非
色々なヒーローから勧誘を受けていた勝己は、悔しそうに眉をひそめて唇を噛んでいた。
「……！」
＿＿＿パチリ。
そんな勝己の横をすれ違うように通ると、顔を上げた勝己と視線が交わった…うわ、バレちゃったよ。
でも、それは一瞬で。勝己は直ぐに俯いた。
「……無事で良かった」
誰に言う訳でも無く、本当に小さく口を動かした。
-
「堕姫〜超助かったよ！……疲れた、って顔だね…」
「……うざったい勧誘してきた不細工をさっき撒いてきたとこ」
「お疲れ様です……。戻ったらちゃんと休んでね？」
「そうね。Aがそう言うなら」
少し休むことにしてあげる…と呟きながら、堕姫は消えていった。もう、ツンデレだなぁ。
-
次第に雲の切れ間から太陽が顔を覗かせてきた。……雨もお天気雨みたいで、弱まってきてる。
ゆっくり雨上がりの道を歩くのは、いつぶりかな。
時たま足元で跳ねる水は、嫌いじゃない。
残念ながら今履いている靴は濡れるとダメなやつだから、水溜まりを踏む事は出来ないけれど……
「……けど、土砂降りの雨は何故か苦手なんだよねぇ」
そうなのだ。
こう、言い表しずらいんだけど、昔から変わらず土砂降りの日は細胞が叫んでるみたいな？
小さい頃からその日だけは、何故か個性の皆を上限なく呼べることが出来ていた。
皆は、私が落ち着いて寝るまでずっと側で落ち着かせようと色々してくれて、甘やかしてかれた。
だから、苦手であってもそこそこ嫌いじゃないのだ。
でも、いつだったかな？
皆が泣いてる日があった気がする
その時も…土砂降りの雨だったな
…夢でも見たのかも知れないなぁ。
-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 385人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すずな - hinaさん» わぁ！コメントありがとうございます✨ 応援、しかと受け止めました（笑） 更新頑張っちゃいます！ (6月27日 22時) (
レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - とても面白い内容です！応援してます！頑張ってください！！ (6月24日 13時) (レス) id: 9425f0e88a (このIDを非表示/違反報告)
すずな - 🍁さんへ 面白いって言ってもらえて何より！です！！わいもしゅき〜 (2021年10月5日 19時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
すずな - #きのこさんへ え、え、＿可愛すぎません？！！！ もう作者のライフは０です。 (2021年9月26日 11時) (レス) id: 5605f8e864 (このIDを非表示/違反報告)
＃きのこ - 更新頑張ってください('ω')ノ 応援しています。(≧▽≦) (2021年9月24日 12時) (レス) @page23 id: 9d10c1eb18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すずな | 作成日時：2021年8月21日 4時
