夜の皇帝となれ３ (ページ8)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:1,667 hit

＊ページ8

発端はミーティング中まで遡る。

「東堂は確実に直で私達を潰しにくる。真依も私狙いで便乗してくるかもな。東堂は化物だ。全員で相手にして全滅するのが最悪のパターン。だから足止めとして"１人だけ"パンダか恵、帝夜を置いてくつもりだったが…。

虎杖オマエに任せる。索敵できる奴減らしたくねぇし。勝たなくていいできるだけ粘って時間を潰せ」

「でも大胆にいけよ！ぶっちゃけオマエは予想外の戦力だからリタイアしてもあんまり困らん」

「ひっでぇ」

グッドサインをした真希とパンダに、虎杖は思わず言ってしまった。本来虎杖抜きで組まれていた作戦に突然虎杖が加わったため、こういう役回りにするのがベストだったのだ。

「悪ィな恵、オマエ東堂とやりたかっだろ」

「いや別にどっちでも…」

「スーパードライだな」

「アサヒかな？」

「でも先輩。やるからには勝つよ俺」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

そしてバラけた後のパンダ班。パンダの嗅覚は何かが

「変だな」

と気づいた。

「京都校がまとまって移動してる…。悠仁とバラけた辺りだな。これ京都校全員揃ってないか？」

「二級呪霊(ターゲット)がそっちにおるってこと？」

「いや二級なら余程狡猾じゃない限り『玉犬』が気づくだろ。京都校(アイツら)、虎杖殺すつもりじゃないか？」

「何それ！！意味分かんない！！」

「……あり得るな」

「こんぶ」

京都校側にそのような敵意は感じられなかった。そんな奴らが虎杖を殺すつもりがあるなど、意味が分からなくても仕方がない。

しかし、あり得てしまうのだ。

「確かにそこまでの敵意は感じられなかったが、ありゃ悠仁生存サプライズの前だろ」

「！」

「楽巌寺学長の指示なら全然あり得る」

「他人の指図で人を殺すような腑抜けの集まりなの？京都校は」

「認識が違うんだよ。１年(オマエら)には悠仁と過ごした日常がある。俺達もさっき分かったありゃ善人術師には珍しい根明だ。

でもな悠仁を知らない奴等からすれば、宿儺の器なんて恐怖の対象でしかないんだよ。呪いを祓うのと感覚的にはそう変わらん」

「術師やってるとそこら辺の境界ボケやすぅなるからね」