夜の皇帝となれ ３

＊ ページ4

「下らん。勝手にやってろ」


東堂は部屋を出ようとしたが、加茂がそれを引き留めた。


「戻れ東堂。学長の話の途中だ」


「11時からの散歩番組に高田ちゃんがゲスト出演する。これ以上説明いるか？」


「録画すればいい。戻れ」


「リアタイと録画 両方観んだよ。ナメてんのか？」


(そこかよ！！)


東堂の強い睨みに、空気がビリビリと震え始めた。自分よりも強い男から発せられる、確かな殺意。


「いいかオマエら。爺さんもよく聞け。女の趣味の悪いオマエらには疾うの昔に失望している。謀略 策略 勝手にやれよ。但し次俺に指図してみろ。

殺すぞ」


東堂が出ていった部屋には、京都校のメンバーと破れた障子だけが残された。


「どうします？あの様子じゃ作戦行動なんて無理ですよね。学長もどっか行っちゃったし、私あの人に殺されたくないですよ」


「いいんじゃないかな。どうせアイツ東京陣営まっしぐらだもん。勝手に暴れてくれるなら、私達は呪霊狩り(ゲーム)に専念すれば」


「でも私達は虎杖悠仁を殺さなきゃでしょ。東堂(あの人)殺すまではやらないんじゃない？やりそうではあるけれど」


(マジでやんのぉ？)


虎杖殺害に消極的なのは三輪と東堂だけらしい。


「そうなると東堂を監視し虎杖悠仁に止めを刺す役が必要だナ」


(私は嫌だ)


「呪霊の相手もあるから どーせ２人１組(ツーマンセル)ですし丁度いいですかね」


「いや…。高専に所属する呪術師の中に虎杖悠仁のような半端者がいるのは由々しき事態だ。交流会以前の問題 加茂家嫡流として見過ごせん。

京都校(わたしたち)全員で虎杖悠仁を襲撃する」

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す