夜の皇帝となれ３ (ページ14)

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帳が降りたことは各々確認していた。どうやら"五条悟"の侵入を拒む代わりに、その他"全ての者"が出入り可能な結界らしい。

しかし此方はそれどころの話ではない。門を突き破って生えた木々の上に、明らかに格上の呪霊が立っている。花御だ。

「なぜ高専に呪霊がいる。"帳"も誰のものだ？」

「天元様の結界が仕事してないんや、きっと」

「"帳"は多分その呪霊と組んでる呪詛師のです」

「ゲホッ」

「？何か知っているのか？」

確信こそないが、根拠となる記憶が伏黒にはあった。五条からの報告だ。

「以前五条先生を襲った特級呪霊だと思います。風姿も報告と近い。あの人の絵でも分かるもんだな」

「あの人絵は上手くないのにな……。いや、ふざけて描いとるだけか」

左腕が布でくるまれ、目に花が描かれたゆるキャラのような絵。五条曰く「コイツら未登録の特級呪霊！しかも呪詛師(にんげん)と組んでるっぽいんだよね～」とのことだ。

特徴は同じ。なら呪詛師と組んでいるという情報が有効になり、可能性の１つに上がる。

「ツナマヨ」

「そうですね。五条先生に連絡しましょう」

「電波通じるか…？」

「ちょっ…と待て。君達は彼が何を言っているのか分かるのか？」

「どうでもいいなう」

「相手は『領域』を使うかもしれません。距離をとって五条先生の所まで後退＿＿＿」

そこまで言ったところで花御が動いた。加茂の後ろに現れ、伏黒のスマホを弾き飛ばしたのだ。液晶は無惨にも砕け散った。